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<5月15日 石川県立音楽堂> 地元に根付いた演奏活動と、座付作曲家による独自のレパートリー開発などで、1988年の創設以来、ユニークな存在感を放ち続けるオーケストラ・アンサンブル金沢。その革新性は企画面でも発揮されている。なかでも毎回驚きと格別の楽しみを提供してくれているのが、「ファンタスティック・オーケストラコンサート」シリーズだ。
2018年には江戸川乱歩原作「黒蜥蜴」のオペラ版を上演。2019年にはゲストに俳優の安田顕、村田雄浩を迎えて、NHK大河ドラマのテーマ曲を特集した。ほかにもジブリ作品「となりのトトロ」と英国の人形劇「サンダーバード」の音楽を取り上げるなど、クラシックの枠にとらわれないプログラムを披露してきた。今年1月には、歌手の岩崎宏美・良美姉妹とジョイント・コンサートも行っている。
そして5月には気鋭の新世代ピアニスト・角野隼斗が登場する。1995年生まれの29歳、東京大学工学部を経て、同大学院卒という、音楽家としては異色の経歴を持つ。YouTubeでの、高度な演奏技術とアレンジセンスに満ちた動画で注目を集め、登録者数は142万人にのぼる。音大卒業の経歴が無いにも関わらず、国内外の多くのコンテストで高位入賞を果たし、世界中の一流オーケストラと共演を重ねている異才だ。
指揮は同楽団のパーマネント・コンダクター、川瀬賢太郎。若手から中堅に差しかかる、いまが旬のマエストロは40歳。熱い音楽が期待される組み合わせだ。演目は現在のところ、こちらもクラシックとジャズを横断するピアニスト、フリードリヒ・グルダ作曲の《コンチェルト・フォー・マイセルフ》と、ストラヴィンスキーの舞台作品《兵士の物語》。まさにファンタスティックなコンサートだ。
<文・小出和明>
公演名 | オーケストラ・アンサンブル金沢 ファンタスティック・オーケストラコンサート |
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日時 |
5月15日(木) 19:00開演(18:00開場) |
会場 | 石川県立音楽堂 コンサートホール |
出演 |
[指揮]川瀬賢太郎 [ピアノ]角野隼斗 [ドラム]石若駿 [ベース]マーティ・ホロベック [語り]桂米團治 [管弦楽]オーケストラ・アンサンブル金沢 |
プログラム |
ストラヴィンスキー:兵士の物語 グルダ:コンチェルト・フォー・マイセルフ |
チケット | 全席指定:SS席8,500円 S席7,500円 A席6,500円 ビスタ4,500円 |
お問い合わせ |
石川県立音楽堂チケットボックス TEL:076-232-8632 |