
<5月11日、12日 東京・サントリーホール> ドイツを代表するオーケストラのひとつ、ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団。1893年に設立された「カイム管弦楽団」を前身とし、1928年に現在の名称となった。歴代の首席指揮者には、日本人作曲家をヨーロッパに紹介した「ワインガルトナー賞」でも知られるフェリックス・ワインガルトナー、透明感のある音楽づくりに定評のあったルドルフ・ケンペ、そしてブルックナーの演奏で一世を風靡したセルジュ・チェリビダッケ、オペラとオーケストラの両方で手腕を発揮しているクリスティアン・ティーレマンなどがその名を連ねている。さらに、グスタフ・マーラーの交響曲第4番、交響曲第8番を作曲者自身の指揮で、《大地の歌》をブルーノ・ワルターの指揮で初演するなど、音楽史にその名を刻む数多くの作品の初演も手がけてきた。また、20世紀を代表する巨匠ヴィルヘルム・フルトヴェングラーは、20歳のときにカイム管弦楽団を指揮して指揮者デビューを果たしている。
2026年シーズンより、ラハフ・シャニを新しい首席指揮者として迎える。2013年にバンベルクのマーラー国際指揮者コンクールで優勝して頭角を現し、ロッテルダム・フィル首席指揮者、イスラエル・フィル音楽監督を務めてきた実力派だ。シャニの首席指揮者就任後初の日本公演となる本ツアーでは、A・Bと2種類のプログラムが準備されている。両公演でソリストを務めるのは、2015年のショパン国際ピアノコンクールの優勝者チョ・ソンジンだ。
プログラムAはモーツァルトの《後宮からの誘拐》で幕を開け、ベートーヴェンのピアノ協奏曲第1番 ハ長調を披露する。ピアノとオーケストラが丁々発止のやり取りを繰り広げる「シンフォニック」な協奏曲への道を切り拓いた作品だ。メインはマーラーの交響曲第1番 ニ長調《巨人》。自作の歌曲やフランス民謡の旋律を引用した牧歌的な雰囲気と、オーケストラの性能をフルに活かした壮麗なサウンドで、マーラーの交響曲の中でも特に人気の高い曲のひとつだ。
プログラムBの幕を開けるのは、ベートーヴェンの《エグモント》序曲。力強く劇的な構成が魅力だ。続いて披露されるのはプロコフィエフのピアノ協奏曲第2番 ト短調。諧謔性とミステリアスな響きを兼ね備えつつ、常にピアノが主導権を持ち続ける作風をもつ、若き日のプロコフィエフの傑作である。プログラムのメインを飾るブラームスの交響曲第4番 ホ短調は、叙情的な旋律と堅牢な構成が特徴だ。特にソナタ形式とシャコンヌ形式による変奏曲を融合させた第4楽章は、ブラームスの技術の結晶である。
新しい首席指揮者ラハフ・シャニとともに迎える新時代の幕開けを、そしてミュンヘン・フィルの伝統と格式に裏打ちされた美音を、ぜひご堪能あれ。
<文・加藤新平>
| 公演名 | ラハフ・シャニ指揮 ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団 JAPAN TOUR 2026 |
|---|---|
| 日時 | 5月11日(月)、12日(火) 19:00開演(18:30開場) |
| 会場 | サントリーホール 大ホール |
| 出演 |
[指揮]ラハフ・シャニ [ピアノ]チョ・ソンジン [管弦楽]ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団 |
| プログラム |
●5月11日(月)【プログラムA】 モーツァルト:歌劇《後宮からの誘拐》K.384 より〈序曲〉 ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第1番 ハ長調 Op.15 マーラー:交響曲第1番 ニ長調《巨人》 ●5月12日(火)【プログラムB】 ベートーヴェン:劇音楽《エグモント》Op.84 より〈序曲〉 プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第2番 ト短調 Op.16 ブラームス:交響曲第4番 ホ短調 Op.98 |
| チケット | 全席指定:S席34,000円 A席28,000円 B席22,000円 C席16,000円 D席13,000円 |
| お問い合わせ |
カジモト・イープラス TEL:050-3185-6728 |















