<2025年4月25日 東京・日本製鉄紀尾井ホール ほか> 1952年生まれのセルジオ・アサド、1956年生まれのオダイル・アサドは、ブラジルを代表するギタリストの兄弟だ。19世紀にブラジルで生まれた、ギターを中心として即興性を重視したポピュラー音楽「ショーロ」の奏者だった父親の影響で、幼いころからギター・デュオを始めたアサド兄弟は、アンドレス・セゴビアの弟子であるモニーナ・タヴォラに師事し、1965年にはブラジルのテレビ番組で兄弟初共演を果たした。1979年にはチェコスロバキアのブラチスラヴァで開催された「ヤング・アーティスト・コンペティション」で大賞を受賞、1983年にはセゴビアの立会いのもとパリでデビュー・リサイタルを開催、そして1984年にはアストル・ピアソラから《タンゴ組曲》の楽曲提供を受け、世界的なギター・デュオとしての地位を確たるものにした。
日本との関わりも深く、1997年には相米慎二監督の映画『夏の庭 The Friends』のサウンドトラックを担当し、1999年には「オルタナティヴ・ピアソラ」出演のため初来日を果たしている。結成60周年を迎える2025年には、新アルバムを発表するとともに、日本を含む世界ツアーを開催する。
本公演で披露する曲目は、ピアソラの《トロイロ組曲》より〈バンドネオン〉〈シータ〉、ヴィラ=ロボスの《ブラジルの魂》をはじめとする古今東西の名曲から、セルジオ・アサド自らが作曲した《3つのブラジルの情景》、組曲《リオの1週間》まで幅広い。特に、どこか都会的な疾走感のある《3つのブラジルの情景》と、ブラジルのひなびた街角にたたずんでいるかのような気分になる《タヒヤ・イ・オーリソナ》に注目したい。
ギターを愛する人にも、ギターを初めて聴く人にも、全力でおススメしたい公演だ。
<文・加藤新平>
公演名 | アサド兄弟 ギター・リサイタル |
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日時・会場 | 【東京公演】 2025年4月25日(金) 19:00開演(18:30開場) 日本製鉄紀尾井ホール 【大阪公演】 2025年4月27日(日) 14:00開演(13:15開場) 住友生命いずみホール 【名古屋公演】 2025年4月29日(火・祝) 14:00開演(13:30開場) 電気文化会館ザ・コンサートホール |
出演 | [ギター]セルジオ・アサド、オダイル・アサド |
プログラム |
ピアソラ:《トロイロ》組曲より バンドネオンとシータ ヴィラ=ロボス:ブラジルの魂 ジスモンチ:パラーソ、やくざなバイヨン ニャターリ:ワルツとコルタ・ジャカ セルジオ・アサド:3つのブラジルの情景、組曲《リオの1週間》、ディアンスと3つの時、タヒヤ・リ・オーソリナ |
チケット |
【東京公演】全席指定:S席8,000円 A席6,000円 【大阪公演】全席指定:S席7,500円 A席6,500円 【名古屋公演】全席指定:7,500円 |
お問い合わせ | チケットスペース TEL:03-3234-9999(休業日のぞく10:00~15:00) |