
<2026年3月14日 東京・浜離宮朝日ホール> 3年に一度開催されている仙台国際音楽コンクール。セミファイナルでモーツァルトの作品1曲、ファイナルではモーツァルトの作品1曲とベートーヴェン、ショパンからラフマニノフ、矢代秋雄にいたるまで幅広い選択肢の中からもう1曲、合計3曲の協奏曲が課題曲として指定されていることが特色だ。2025年に開催された第9回では、ある小学生がファイナルに進出し、矢代秋雄のピアノ協奏曲をみごとに弾き切って全国のピアノ・ファンを驚愕させた。
彼女の名は、天野薫。2013年生まれの小学6年生だ。2023年、9歳でデビューリサイタルを開催して以降、第48回ピティナ・ピアノコンペティション Pre特級銅賞、第12回ヨーロッパ国際ピアノコンクール in Japanグランプリ、そして仙台国際音楽コンクールで史上最年少となる第3位・聴衆賞と、数多くのコンクールで入賞を果たしてきた。2026/2027シーズンには、東京フィル、新日本フィル、名古屋フィルとの共演も予定されており、いまもっとも波に乗るピアニストだ。
本公演のために天野が組んだプログラムは、バロックから近現代まで幅広い。軽妙なモーツァルトのピアノ・ソナタ第3番、堅牢なJ.S.バッハの《半音階幻想曲とフーガ》、色彩的にきらめくドビュッシーの《喜びの島》、沸き立つリズムと超絶技巧が印象的なラヴェルの《道化師の朝の歌》などのバロックから近代の名曲がずらりと並ぶ。そして、現代曲からは、ふたつの「循環主題」を駆使した緻密な構成で人気の高い矢代秋雄のピアノ・ソナタをピックアップ。「日本のピアノ・ソナタ」を代表する作品のひとつといってよいだろう。
時代と様式の枠組みを自在に飛び越えながら、確かなテクニックと表現力で作品のもつ魅力を引き出してゆくことを大いに期待したい。
<文・加藤新平>
| 公演名 | 天野薫ピアノリサイタル |
|---|---|
| 日時 | 2026年3月14日(土) 18:00開演(17:15開場) |
| 会場 |
浜離宮朝日ホール |
| 出演 | [ピアノ]天野薫 |
| プログラム |
ヘンデル:組曲第5番 ホ長調 HWV430 モーツァルト:ピアノ・ソナタ第3番 変ロ長調 K.281 J.S.バッハ:半音階幻想曲とフーガ ニ短調 BWV903 ドビュッシー:水の反映、喜びの島 ラヴェル:洋上の小舟、道化師の朝の歌 矢代秋雄:ピアノ・ソナタ |
| チケット | 全席指定:2,500円 学生(25歳以下)1,000円 |
| お問い合わせ |
イープラス E-mail:pp-info@eplus.co.jp |




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