
<12月20日 大阪・住友生命いずみホール> 12月といえばクリスマスだが、クラシック音楽的には1年で最もオルガンコンサートが行われる季節でもある。2025年で36回目を迎える住友生命いずみホールの「クリスマス・オルガンコンサート」が、今年もやってくる。
本公演でオルガンソロを務める山口綾規は、早稲田大学政治経済学部を経て、東京藝術大学大学院で修士課程(オルガン)を修めた異例の経歴を持つオルガニスト。大学時代、『パイプオルガンに出会ってしまった』というその日から、オルガンを愛し、魅力を伝え続けている。いずみホールの「クリスマス・オルガンコンサート」には6回目の出演で、昨年に引き続き美しい音色を楽しみにしているファンも多いのではないだろうか。
歌唱を務めるソプラノのコロンえりかは、聖心女子大学・大学院で教育学を学んだあと、英国王立音楽院を優秀賞で卒業し、同年ウィグモアホールデビューを飾っている。モーツァルト・フェスティバル(ブリュッセル)、宗教音楽祭(フィレンツェ)、日英国交150年記念メサイア(ロンドン) でソリストを務めるなどオラトリオの分野に力を注ぐ、注目のソリストだ。
プログラムは、クリスマスを連想させる名曲がめいっぱい詰まった、充実の内容。J.S.バッハの代表曲《目覚めよと呼ぶ声あり》《主よ、人の望みの喜びよ》《トッカータとフーガニ短調 BWV 565》、カッチーニとシューベルトそれぞれの《アヴェ・マリア》、そしてアダン《オー・ホーリー・ナイト》など、だれもがどこかで耳にしたことのある作品ばかり。さらに、無声映画に伴奏を付け演出する「シアターオルガン」を操る山口ならではのプログラムにも注目したい。《レ・ミゼラブル》のメドレーや、バーンスタインの《ウエスト・サイド・ストーリー》より名曲中の名曲である〈トゥナイト〉〈サムホエア〉は、パイプオルガンで聴けるタイミングは少ない。さらに、坂本龍一の名曲《戦場のメリークリスマス》が本シリーズでは初めて演奏される。繊細なピアノの旋律が印象的な本作品だが、山口の手にかかり、オルガンの音色でどう変化を遂げるのだろうか。ぜひここで聴いておきたいレアな機会だ。
街がクリスマスに染まる12月半ば、いずみホールで荘厳な音色と美しい歌声に包まれるのはいかがだろうか。
<文・浅井彩>
| 公演名 | クリスマス・オルガンコンサート |
|---|---|
| 日時 | 12月20日(土) 12:00開演(11:15開場)/16:00開演(15:15開場) |
| 会場 | 住友生命いずみホール |
| 出演 |
[パイプオルガン]山口綾規 [ソプラノ]コロンえりか |
| プログラム |
カッチーニ:アヴェ・マリア シューベルト:アヴェ・マリア J.S.バッハ:目覚めよと呼ぶ声あり、主よ、人の望みの喜びよ、トッカータとフーガニ短調 BWV 565 フランク:天使の糧 アダン:オー・ホーリー・ナイト 坂本龍一:戦場のメリークリスマス シェーンベルク:《レ・ミゼラブル》メドレー バーンスタイン:《ウエスト・サイド・ストーリー》より〈トゥナイト〉〈サムホエア〉 ヴィエルヌ:ウエストミンスターの鐘 |
| チケット | 全席指定:5,000円 |
| お問い合わせ |
キョードーインフォメーション TEL:0570-200-888 |
















