
<2026年1月11日 香川・レクザムホール> ヴァイオリン・ソナタという名称から、ピアノは伴奏、あくまでも脇役という印象が強いかもしれない。しかしベートーヴェンに代表される古典派以降は、ふたつの楽器が対等の立場で音楽を創造する形式として成立している。ゆえに、それぞれの奏者の組み合わせは、演奏の成果にとって非常に大切な要素となっている。
その点、本公演のふたりは理想的だ。ヴァイオリンは第8回ヴィエニャフスキ国際ヴァイオリンコンクールにおいて、最年少の18歳にして日本人初優勝を飾ったベテラン・漆原啓子。ソロ活動の他、ハレー・ストリング・クァルテットの一員としても多くの名演を残している。個性と協調の絶妙なバランスが魅力の名手だ。ピアノは注目の若手から、安定の中堅へと歩を進めつつある阪田知樹。近年だけでも2016年のフランツ・リスト国際ピアノ・コンクール第1位、2021年のエリザベート王妃国際音楽コンクール第4位と、めざましい成果を挙げている。フレッシュな響きに深みが加わって、まさに旬の奏者といえるだろう。
両者は2023年にも共演しており、ヴァイオリン、ピアノともに高度な技巧を要求される、ブラームスのソナタ全3曲を演奏。完成度の高さで絶賛を集めた。今回のプログラムにも、その中から第2番を含め、モーツァルト、ブゾーニ、R.シュトラウスのソナタを配した。加えて、阪田のソロによるブラームスの間奏曲も用意されている。このぜいたくなデュエットを聴き逃す手はない。
<文・小出和明>
| 公演名 | レクザムホール リサイタルシリーズ 漆原 啓子&阪田 知樹 Duoリサイタル |
|---|---|
| 日時 | 2026年1月11日(日) 14:00開演(13:30開場) |
| 会場 | レクザムホール 小ホール |
| 出演 |
[ヴァイオリン]漆原啓子 [ピアノ]阪田知樹 |
| プログラム |
モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ ホ短調 K.304 ブゾーニ:ヴァイオリン・ソナタ第2番 ホ短調 Op.36a ブラームス:ブラームス:6つの小品より第2番 間奏曲 イ長調 Op.118-2、ヴァイオリン・ソナタ第2番 イ長調 Op.100 R.シュトラウス:ヴァイオリン・ソナタ 変ホ長調 Op.18 |
| チケット | 全席指定:4,500円 |
| お問い合わせ |
県民ホールサービスセンター TEL:087-823-5023 |















