
<2026年3月7日、8日 滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール> 19世紀末から20世紀初頭にかけて活躍した、イタリア・オペラを代表する作曲家のひとり、ジャコモ・プッチーニ。《トゥーランドット》は、プッチーニにとって最後の作品となった。未完成のまま遺された本作は、フランコ・アルファーノによって補筆完成され、1926年にアルトゥーロ・トスカニーニの指揮によりミラノ・スカラ座で初演された。以来、プッチーニの代表作として、イタリア・オペラに燦然と輝くレパートリーとなっている。
絶世の美女である中国の王女トゥーランドットは、他国による支配の歴史への悲しみと怒りから、冷酷極まりない性格の持ち主となっていた。求婚者には必ず3つの謎を解くよう求め、解けなかった者を容赦なく斬首刑に処していた。戦いに敗れて国を追われたダッタンの王ティムールは、女奴隷のリューに手を引かれて北京へやってくる。そして、生き別れた王子カラフと劇的な再会を果たす。しかしカラフは、処刑場に現れたトゥーランドットの姿を見て恋に落ちてしまう。カラフはトゥーランドットの出す3つの謎に挑み、みごとすべて正解する。そしてカラフとの結婚を渋るトゥーランドットに対して「私もひとつの謎を出そう。私の名は誰も知らぬ。明日の夜明けまでに私の名を当てれば、私は潔く死を選ぼう」と挑みかかる。トゥーランドットは持ち前の冷酷さを発揮し、カラフの名を知るリューを拷問にかける。しかしリューは口を閉ざし、衛兵の刀を奪って自ら命を絶ってしまう。リューの献身を目の当たりにし、氷のようなトゥーランドットの心がついに変化する。
本公演は、《ばらの騎士》《死の都》に続く、阪哲朗プロデュース第3弾であり、びわ湖ホールでの6年ぶりの《トゥーランドット》上演となる。
2024年5月、びわ湖ホールプロデュースオペラとして初めて、キャストの公募オーディションが行われた。トゥーランドット役に谷明美と並河寿美、カラフ役に宮里直樹と福井敬、ティムール役に妻屋秀和と西田昂平、そしてリュー役に𠮷川日奈子と船越亜弥を配した、実力派オペラ歌手がずらりと並ぶ。まさにオールスター・キャストと言ってよいだろう。オペラ演出の世界で活躍を続ける粟國淳の手がける舞台演出、そして阪哲朗率いる京都市交響楽団の演奏にも期待が高まる。
びわ湖ホールが日本オペラ界の総力を結集した《トゥーランドット》。オペラ・ファン必見の公演である。
<文・加藤新平>
| 公演名 | びわ湖ホール プロデュースオペラ プッチーニ 作曲 歌劇『トゥーランドット』 |
|---|---|
| 日時 |
2026年3月7日(土) 14:00開演(13:15開場) 2026年3月8日(日) 14:00開演(13:15開場) |
| 会場 | 滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール 大ホール |
| 出演 |
[指揮]阪哲朗 [演出]粟國淳 【2026年3月7日公演】 [トゥーランドット]谷明美 [カラフ]宮里直樹 [ティムール]妻屋秀和 [リュー]𠮷川日奈子 [アルトゥム]大野徹也 [ピン]晴雅彦 [パン]与儀巧 [ポン]中井亮一 [役人]市川敏雅 【2026年3月8日公演】 [トゥーランドット]並河寿美 [カラフ]福井敬 [ティムール]西田昂平 [リュー]船越亜弥 [アルトゥム]林誠 [ピン]迎肇聡 [パン]福西仁 [ポン]奥本凱哉 [役人]市川敏雅 [合唱]びわ湖ホール声楽アンサンブル、「トゥーランドット」合唱団 [管弦楽]京都市交響楽団 |
| プログラム |
ジャコモ・プッチーニ:歌劇《トゥーランドット》 全3幕〈イタリア語上演/日本語字幕付〉 予定公演時間:約3時間(休憩含む) |
| チケット |
全席指定:SS席※完売 S席20,900円 A席18,700円 B席15,400円 C席※完売 D席※完売 E席※完売 U30席(30歳以下)3,300円 U24席(24歳以下)2,200円 |
| お問い合わせ |
びわ湖ホールチケットセンター TEL:077-523-7136 |















