
<2026年3月6日 東京・サントリーホール ほか> 10代のころから第一線で活躍し、世界が認めるヴァイオリニスト、庄司紗矢香。その評価は年を追うごとに高まり続けている。美しい音を自在に操り、精密で隙のない演奏を聴かせるヴァイオリニストは今の時代少なくないが、庄司の魅力はそのさらに先にある。緻密な作品研究と多面的な思索に裏づけられた音楽は、知性と感情が有機的に結びついた、まさに唯一無二の世界だ。
共演するピアニスト、ジャンルカ・カシオーリとは15年以上にわたる信頼関係で結ばれている。このデュオは、2025年2月にリリースしたアルバム『モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ第25番・第34番・第40番』で大きな話題を呼んだ。モーツァルトが生きた18世紀当時の響きを求め、ガット弦とクラシカル弓、そしてフォルテピアノによる演奏に挑んだ意欲作である。庄司によれば、コロナ禍の間にようやく叶った「18世紀の音楽書を読み込む時間」の成果が、この録音に結実したという。
今回のリサイタルでもモーツァルトが取り上げられているが、使用されるのは現代のピアノとヴァイオリン。プログラムにはバロックからロマン派、そして近現代まで、幅広い時代の作品が並ぶ。こうした多彩な選曲こそ、室内楽リサイタルの王道といえるだろう。時代ごとに異なるスタイルをどう弾き分けるのか── クラシック愛好家にとって最大の聴きどころだ。
長年にわたり互いを高め合ってきたふたりが創り出す、深遠で透明な音の対話。技巧を超えた音楽の真髄が、ここにある。
<文・尾崎羽奈>
| 公演名 | 庄司紗矢香&ジャンルカ・カシオーリ デュオ・リサイタル |
|---|---|
| 日時 | 2026年3月6日(金) 19:00開演(18:20開場) |
| 会場 | サントリーホール 大ホール |
| 出演 |
[ヴァイオリン]庄司紗矢香 [ピアノ]ジャンルカ・カシオーリ |
| プログラム |
モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ第24番 ヘ長調 K.376 ブラームス、ディートリッヒ、シューマン:F.A.E ソナタ ダラピッコラ:タルティニアーナ第2番 ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ 第1番 Op.78《雨の歌》 |
| チケット | 全席指定:S席8,500円 A席7,500円 B席6,500円 C席5,500円 |
| お問い合わせ |
ジャパン・アーツぴあ TEL:0570-00-1212 |
| そのほかの公演 |
●2026年2月26日(木) 住友生命いずみホール お問い合わせ/住友生命いずみホールチケットセンター TEL:06-6944-1188 ●2026年2月28日(土) 札幌コンサートホールKitara お問い合わせ/テレビ北海道 TEL:011-351-7277 ●2026年3月1日(日) 所沢市民文化センター ミューズ アークホール お問い合わせ/ミューズチケットカウンター TEL:04-2998-7777 ●2026年3月4日(水) 八ヶ岳高原音楽堂 お問い合わせ/八ヶ岳高原ロッジ TEL:0267-98-2131 ●2026年3月7日(土) 水戸芸術館 コンサートホールATM お問い合わせ/水戸芸術館チケット予約センター TEL:029-231-8000 |
|---|

















