
<11月1日 秋田アトリオン音楽ホール> オペラ・ファンなら一度は憧れる、紀元30年に建設された古代ローマ円形劇場「アレーナ・ディ・ヴェローナ」での夏の野外オペラ・フェスティバル。壮大なスケールの舞台演出と、日没とともに開幕する幻想空間は、世界で最も美しいオペラの舞台とも言われている。
本公演では、アレーナ・ディ・ヴェローナゆかりの演奏家が結集し、選りすぐりのオペラの名曲を披露する。
ソプラノのマディナ・カルベリは、ウィーン音楽・舞台芸術大学を卒業後、オペラ・デビューした劇場がなんとアレーナ・ディ・ヴェローナという、本公演にはピッタリの歌手。ウィーン楽友協会、ロイヤル・オペラ・ハウスなど世界各地の名門劇場でドラマティック・ソプラノとしての高い評価を確立しており、2024年にはプロコフィエフ《炎の天使》主演のレナータ役を務めるなど、オペラ界でのキャリアを着実に積み重ねている。その歌声は多方面から高い支持を受け、オペラのみならず、ミュージカル、ポップス、ワールドミュージックなど活躍の場を広げている。
ヴァイオリンのグンテル・サニンはアレーナ・ディ・ヴェローナ管弦楽団のコンサートマスターを1999年から務めており、チェロのサラ・アイロルディはアレーナ・ディ・ヴェローナ管弦楽団の首席チェロ奏者である。
本公演のピアニストとして出演する千田桂大は、秋田県潟上市出身。2008年、世界的ピアニストであるエリック・ハイドシェックに認められて単身渡仏し、2009年、2010年にはルーマニア国立管弦楽団と「60周年ニューイヤー・コンサート」などで共演して「アルフレッド・コルトーの再来」と讃えられた若手の注目株だ。2021年には世界三大ピアノメーカーのひとつ、ベヒシュタイン本社とアーティスト契約を結ぶなど、いまもっとも波に乗る日本人ピアニストのひとりだ。秋田・潟上国際音楽祭の実行委員長兼アーティスティックディレクターを務めている。
マスカーニの《カヴァレリア・ルスティカーナ》より〈間奏曲〉〈ママも知る通り〉、プッチーニの《トスカ》より〈歌に生き、愛に生き〉、マスネの《タイス》より〈瞑想曲〉、サン=サーンスの《動物の謝肉祭》より〈白鳥〉など、オペラを中心としたプログラムは、コアなオペラ・ファンから、クラシック音楽を本公演で初めて聴く人まで、多くの人の心をつかむことまちがいなし。ちなみに筆者のイチオシは、ドヴォルザークの《ルサルカ》より〈月に寄せる歌〉だ。
潟上をヴェローナを音楽で結ぶコンサートで、オペラ・ファンならだれもが憧れる、ヴェローナのあの熱狂を感じてほしい。
<文・加藤新平>
公演名 | 秋田・潟上国際音楽祭 アレーナ・ディ・ヴェローナ オペラ名曲 ガラ・コンサート |
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日時 | 11月1日(土) 14:00開演(13:30開場) |
会場 | 秋田アトリオン 音楽ホール |
出演 |
[ソプラノ]マディナ・カルベリ [ヴァイオリン]グンテル・サニン [チェロ]サラ・アイロルディ [ピアノ]千田桂大 |
プログラム |
マスカーニ:歌劇《カヴァレリア・ルスティカーナ》より〈間奏曲〉〈ママも知る通り〉 プッチーニ:歌劇《トスカ》より〈歌に生き、愛に生き〉 ベッリーニ:歌劇《ノルマ》より〈序曲〉〈清らかな女神よ(カスタディーヴァ)〉 ヴェルディ:歌劇《シチリア島の夕べの祈り》より〈ありがとう、愛する友よ〉 マスネ:歌劇《タイス》より〈瞑想曲〉 サン=サーンス:組曲《動物の謝肉祭》より〈白鳥〉 ピアソラ:バチンの少年 ほか |
チケット | 全席指定:5,500円 ペア10,000円 学生1,000円 |
お問い合わせ |
秋田・潟上国際音楽祭実行委員会事務局 TEL:018-874-9215 |