
<9月23日 新潟・柏崎市文化会館アルフォーレ> 本公演は、日本を代表する作曲家であり、柏崎市文化会館アルフォーレの「パートナーシップ・アーティスト」である作曲家の池辺晋一郎によるプロデュース公演である。本公演のテーマはずばり「サクソフォン」。クラシック音楽だけでなくジャズなどのポピュラー音楽においても欠かせない楽器となっているサクソフォンは、実は楽器の歴史においてはかなりの「ニュータイプ」である。そんな「新しい楽器」であるサクソフォンのために書かれた数々の名作を、日本を代表する若手サクソフォン奏者上野耕平をゲストに迎えつつ、トークを交えて紐解いてゆく。
『スター・ウォーズ』などの映画音楽で知られるジョン・ウィリアムズの《エスカペイド》は、ジャズやラテンの響きを取り入れた華やかな作品。ジャック・イベールの《コンチェルティーノ・ダ・カメラ》はサクソフォン協奏曲というジャンルを代表する作品のひとつ。1935年に作曲された本作は、サクソフォンのもつ甘美さと機動性をフルに活用している。
また、本公演では、旭井翔一の《Eclogue》も披露される。「田園詩」を意味する本作は、透明感のあるピアノの響きと、サクソフォンによる郷愁を誘う旋律で始まり、サクソフォンの性能を活かした技巧的なフレーズへと進んでゆく。東京藝術大学を卒業し、第23回朝日作曲賞(合唱)、現音作曲新人賞(富樫賞)を受賞するなど、現代音楽の世界で最先端を走りつつ、現代音楽の枠組みにとらわれず、ほかのジャンルの演奏家とのコラボレーションに重きを置いている、旭井ならではの独特の作風は、現代音楽に初めて触れる人にも、きっと新鮮さと親しみやすさを感じられるものであろう。
2009年3月まで、NHK教育テレビ「N響アワー」の司会者を務めた池辺は、大のダジャレ好きとしても有名だ。彼の軽快なトークに期待しているクラシック音楽ファンも多いのではないだろうか。
<文・加藤新平>
公演名 | 池辺晋一郎 音楽の不思議 「サクソフォン」上野耕平 |
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日時 | 9月23日(火・祝) 14:00開演(13:30開場) |
会場 | 柏崎市文化会館アルフォーレ 大ホール |
出演 |
[作曲家/トーク]池辺晋一郎 [サクソフォン]上野耕平 [ピアノ]高橋優介 |
プログラム |
旭井翔一:Eclogue(エクローグ[田園詩]) ジョン・ウィリアムズ:エスカペイド「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」より ジャック・イベール:コンチェルティーノ・ダ・カメラ 山田耕筰/山中惇史:赤とんぼ ほか |
チケット | 全席指定:3,000円 高校生以下500円 |
お問い合わせ |
柏崎市文化会館アルフォーレ TEL:0257-21-0010 |