清塚信也 47都道府県ツアー2025-2026

＜9月4日　神奈川・横浜みなとみらいホール　ほか＞　2013年公開の映画『さよならドビュッシー』で岬洋介役を務めて話題を呼んだピアニストがいる。彼の名は、清塚信也。映画ファンの中には、2007年公開の映画『神童』で松山ケンイチ演じる「ワオ」のピアノ演奏吹き替えを担当したことで彼を知った人も多いのではないだろうか。2021年4月よりNHK Eテレ「クラシックTV」のMCを務め、全国のお茶の間にクラシック音楽の魅力を伝えている。1998年に東京交響楽団と共演し、2000年には第1回ショパン国際コンクールin ASIAで第1位に輝くなど、その実力は折り紙付きだ。
　2019年8月に日本人男性クラシックピアニストとして史上初の日本武道館公演を開催し、「FNS歌謡祭」をはじめとする番組から、TBS系列のテレビドラマ『コウノドリ』や『逃げるは恥だが役に立つ』などのドラマ出演、さらには映画や舞台への出演など、ピアニストと俳優とタレント、そして作曲・解説と多くの顔を持つ清塚の特徴は、厳しい環境で鍛え抜かれてきた確かな技巧と、博識さに裏打ちされた的確な演奏解釈、そしてなんといっても芸人顔負けのトークのおもしろさだ。その軽妙洒脱さは、「クラシックTV」からもうかがい知ることができる。
　本公演は、タイトル通り47都道府県をめぐってゆくツアーだ。本稿執筆時点で発表されているのは、9月4日（木）の神奈川・横浜みなとみらいホールを皮切りに岡山→鳥取→愛知→石川→富山→香川→山梨→群馬→長野→福岡→大阪→福島→青森→滋賀→兵庫→そして12月28日（日）東京・オーチャードホール公演というスケジュール。2026年の日程は未発表である。
　本ツアーの曲目も、本稿執筆時点では発表されていない。だが、クラシック音楽のもつおもしろさと深さを伝えることに長けている清塚なら、コアなクラシック音楽ファンから、クラシック音楽を初めて聴く人まで、多くの人を唸らせるような魅力あふれるプログラムを組んでくれることはまちがいない。プログラムは当日のお楽しみとのことで、充実した公演になることを期待したい。

＜文・加藤新平＞

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