
<8月25日 長野・松本市音楽文化ホール> 日本を代表する指揮者として世界的なキャリアを築き、長年にわたり日本のクラシック音楽界を牽引してきた小澤征爾。その逝去から早くも1年が経つ。彼の師である齋藤秀雄を偲んで、没後10年にあたる1984年のメモリアルコンサートを機に生まれたサイトウ・キネン・オーケストラは、小澤氏らの呼びかけに賛同した音楽仲間たちが心を寄せあった、まさに志の結晶だった。
やがてこのオーケストラは世界的評価を得るようになり、1992年には長野県松本市にて「サイトウ・キネン・フェスティバル松本」がスタート。2015年からは『セイジ・オザワ 松本フェスティバル(OMF)』と名をあらため、さらなる飛躍を遂げている。小澤征爾亡きあとも、彼の志は受け継がれ、今年もオーケストラ公演、オペラ、室内楽、子どものためのプログラムなど、多彩な演目が予定されている。
ご紹介する「ふれあいコンサートⅡ」では、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の第1コンサートマスターを務めるヴァイオリニスト・樫本大進を迎え、20世紀の珠玉の作品が披露される。ヴォーン=ウィリアムズに始まり、ブルッフ、ウェーベルン、シェーンベルクと、重厚かつ繊細なプログラム構成は、まさに“攻めの選曲”。世界的名手たちが紡ぐこれらの楽曲の魅力は、こうした歴史ある音楽祭だからこそ味わえるものだろう。
伝統を受け継ぎつつ、クラシック音楽の未来を切り開く――。そんな一夜に立ち会ってみてはいかがだろうか。
<文・尾崎羽奈>
公演名 | 2025セイジ・オザワ 松本フェスティバル ふれあいコンサート Ⅱ ~樫本大進を迎えて~ |
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日時 | 8月25日(月) 18:00開演(17:30開場) |
会場 | 松本市音楽文化ホール(ザ・ハーモニーホール) |
出演 |
[ヴァイオリン]樫本大進、大宮臨太郎、双紙正哉、田島高宏、豊嶋泰嗣、矢部達哉 [ヴィオラ]川本嘉子、村松龍、篠﨑友美、横溝耕一 [チェロ]佐藤晴真、趙靜 [コントラバス]池松宏 |
プログラム |
ヴォーン=ウィリアムズ:幻想的五重奏曲 ブルッフ:弦楽八重奏曲 変ロ長調(遺作) ウェーベルン:弦楽四重奏のための緩徐楽章 シェーンベルク:浄められた夜 Op.4 |
チケット | 全席指定:※完売 |
お問い合わせ |
セイジ・オザワ松本フェスティバル実行委員会 TEL:0263-39-0001 |