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HOMEインタビュー牛田智大、デビュー10周年 ドイツ・プログラムを極める
インタビュー2023.2.10

牛田智大、デビュー10周年 ドイツ・プログラムを極める

 昨年、デビュー10周年を迎えた牛田智大さん。2021年のショパン国際コンクールへの出場や、昨秋リリースしたショパン後期の作品によるアルバムなど、これまではショパンの作品を多く演奏してきました。今年3月に東京オペラシティで行なわれるリサイタルは、すべてドイツ語圏の作品によるプログラム。しかも、3曲とも公の場で演奏するのは初めてとのことです。リサイタルについて、お話をうかがいました。

©Ariga Terasawa

――このプログラムのコンセプトを教えてください。

ドイツ語圏を代表する作曲家の若い時期の作品を中心に構成しました。昨年までは、ショパンの晩年の死を意識するような作品が多かったので、今度は若々しいエネルギーに満ちた作品に取り組みたいと思いました。シューベルト、シューマン、ブラームスの20代前半に書いた作品ですから、同年代である自分が演奏することで、なにか特別な意味を加えられたらと思っています。

©Ariga Terasawa

――リサイタルでは、まず、シューベルト《ピアノ・ソナタ第13番》を演奏します。この作品が完成したのは1819年。彼にとって、まさにこれからという時ですね。

この時期は、彼がまだ心身の充実を保っていた最後の時期と言えます。演奏家としては、成功を目前にしていたわけですから、彼のいくらか浮遊感のある精神状態を反映させることができればと思っています。

――シューベルトの音楽の、どのようなところにシンパシーを感じますか?

シューベルトの作品は、内向きのエネルギーに満ちていますよね。聴衆や社会に対してなにか問うような外に向かうものではなく、内面を語るようなスタイルに共感を覚えます。

――ピアノの先生によっては、年齢の低い生徒にはシューベルトを弾かせない人もいます。

個人的には、このような作品を若いうちから学ぶことができればすばらしいと思います。
弾くべきかどうかという問題は別として、実際のところ、若いピアニストにとってシューベルトの音楽を学ぶプロセスには多くのリスクと課題が伴います。彼の音楽の美しさは感情や哲学ではなく様式美によってもたらされていて、ハーモニーやイントネーション、フレージングの処理がすべて正しいバランスで行われていなければなりません。演奏家が自らのエゴイズムをわずかでも滲ませてしまえば、簡単にスタイルが失われ、美しさも破壊されてしまいます。すべてがロジカルな「フォルム」のなかに収まっていなければなりません。
私にとって、シューベルトは今回のプログラムのなかで最も難しい存在です。

――シューベルトの音楽に「フォルム」という言葉は、私には意外に感じられます。でもロジカルなものはありますよね。

シューベルトの音楽には、即興的な要素はもちろんあります。しかし、彼はリート(歌曲)の作曲家であると同時に、優れたシンフォニーの作曲家でもありました。彼がベートーヴェンから受け継いだ形式や構築感を大切にしたいと思っています。

©Ariga Terasawa

――シューマンは3曲のピアノソナタを書き上げていますが、牛田さんは第1番をとりあげました。

《ピアノソナタ第1番》は、1830年代前半(20代前半)に書かれました。さまざまなアイデアを織り込むがゆえの「いびつさ」を感じられることが魅力ではないかと思います。彼は、この作品においてフロレスタンとオイゼビウスという対照的な性格を持つふたりに議論させるダヴィッド同盟構想と、ソナタ形式との融合が試みられたと伝えられています。その結果として、作品の構造をいくらか難解にしてしまった印象はありますが、彼のあふれんばかりの才能や音楽への愛を感じることができる作品です。
シューマンの創作プロセスにおけるピークは、かなり早かったといえます。特にピアノ曲においては26~27歳ごろにもはや集大成といえるところまで到達してしまい、作品の魅力という意味ではソナタ形式の《幻想曲》を頂点に、緩やかな下降を辿ったといっても過言ではないのではないでしょうか。

――牛田さんは、シューマンの音楽のどのあたりに惹かれましたか?

シューマンは、数多くの作曲家のなかでも最もシンパシーを感じる作曲家のひとりです。
彼の音楽の魅力はまさに作品の「いびつさ」にあると感じます。彼は、すばらしい才能を持った音楽家でしたが、必ずしも正統な音楽教育を受けたわけではありませんでした。彼は生涯それを負い目に感じていましたが、一方で彼の音楽の独創性は、理論が後付けだったからこそ潰されなかったのかもしれません。心の中をそのまま映し出したような音楽であるからこそ、自然に聴き手に寄り添うことができるのでしょう。

――プログラムの最後を飾るのは、ブラームス《ピアノソナタ第3番》ですね。

ピアノソナタについては、第1番か第3番に取り組みたいとずっと思っていました。プログラムの最後の曲ということ、またシューベルトとシューマンからの系譜を追う意味もあり、第3番を選びました。

©Ariga Terasawa

――ブラームスの音楽って独特ですよね。

音の数が少ないので、ひとつの音が負うメッセージ性はとても強いですし、民族音楽からの影響も大きいので、特徴的なリズムを理解する必要もあります。
かつてMo.プレトニョフにラフマニノフの曲を聴いていただいたとき、最初に言われたのは「音を捨てなさい」ということでした。ロシア作品の多くは必要な音とそうでない音があるという考え方で、音楽にとって重要な音かどうか優先順位をつけて層を作るようにアプローチをします。
それとは対照的に、ドイツの作品ではすべての音に意味があり、まるで歯車のように作品を組み立てる要素になっています。より神経を尖らせて音に意味や哲学などを含めなければいけないので、求められるものがたくさんあります。

――私は子どもの頃、ブラームスの作品があまり好きではなかったのです。他の作曲家の作品よりも色彩が少ないと思っていました。

ブラームスは、カラーリストというよりは、いわゆる日本の墨絵のような淡い音楽で、理解するにはもしかしたら人生経験や高い精神性が必要なのかもしれません。でも、シンフォニーはわかりやすいですよね。私は高校時代にブラームスのシンフォニーが大好きになって……一晩中聴き明かしたこともありました。ピアノ曲を理解できるようになったのはもう少し後のことです。

――リサイタルで取り上げる3人の作曲家は、ピアノ作品やシンフォニーの作曲だけではなく、リート(歌曲)の創作にも積極的でした。牛田さんは、声楽のレッスンを受けたことはありますか?

10代の終わり頃から歌は少し習いました。まったく熱心ではありませんでしたが……大学でソプラノの廣田美穂先生に何度かアドバイスをいただいたこともあります。レッスンの時に傍で歌ってくださる先生の声は鳥肌が立つほどすばらしくて、その後に私が歌うのは本当にお耳汚しで心苦しかったです(苦笑)。
歌を学んで得たものはたくさんあります。音程が変わる時にどれほどのエネルギーをかけなければならないのか……音が上がる時にエネルギーが発生するのは当然ですが、一方で音が下がる時にも非常に神経を使います。フレーズの頂点へ向かうまでももちろん大事だけれど、そこから収束していく、フレーズが閉じるところを大切にしなければならないという経験は、今でもとても役に立っています。

――読者の皆さまに、メッセージをお願いします。

2月から3月にかけての独墺プログラム、若きエネルギーに満ちた作品を皆さまと共有できることを楽しみにしています。ぜひ会場でお会いしましょう!

(取材・文 道下京子)


公演情報

牛田智大 ピアノ・リサイタル
鮮烈なピアニズムから香り立つ馥郁たるファンタジー

日時 3月16日(木) 19:00開演(18:20開場)
会場 東京オペラシティ コンサートホール
出演 [ピアノ]牛田 智大
プログラム シューベルト:アレグレット ハ短調 D915、ピアノソナタ第13番 イ長調 D664 Op.120
シューマン:ピアノソナタ第1番 嬰ヘ短調 Op.11
ブラームス:ピアノソナタ第3番 ヘ短調 Op.5
チケット 全席指定 S席6,000円 A席5,000円 B席4,000円
詳細 こちらから
お問い合わせ ジャパン・アーツぴあ
TEL:0570-00-1212(10:00~16:00)

牛田智大(Tomoharu Ushida)2018年11月に開催された第10回浜松国際ピアノコンクールにて、日本人歴代最高第2位、併せてワルシャワ市長賞、聴衆賞を受賞。2019年3月、第29回出光音楽賞受賞。
1999年福島県いわき市生まれ。父親の転勤に伴い生後すぐ上海へ渡り6歳まで育つ。
2012年2月(12歳)、第16回浜松国際ピアノアカデミー・コンクールにて最年少1位受賞。以降、本格的に演奏活動を始める。
2012年3月、クラシックの日本人ピアニストとして最年少12歳で ユニバーサル ミュージックよりCDデビュー。「愛の夢~牛田智大デビュー」(2012年)、「想い出」(2012年)、「献呈~リスト&ショパン名曲集」(2013年)、「トロイメライ~ロマンティック・ピアノ名曲集」(2014年)、「愛の喜び」(2015年)、「展覧会の絵」(2016年)、「ショパン:バラード第1番、24の前奏曲」(2019年)をリリース。2015年「愛の喜び」以降、続けてレコード芸術誌の特選盤に選ばれている。2022年8月、自身初のライブ録音となる「ショパン・リサイタル2022」が発売された。
これまでに、国内の著名な指揮者およびオーケストラと多数共演を重ねたほか、シュテファン・ヴラダー指揮ウィーン室内管弦楽団(2014年)、ミハイル・プレトニョフ指揮ロシア・ナショナル管弦楽団(2015年/2018年)、小林研一郎指揮ハンガリー国立フィルハーモニー管弦楽団(2016年)、ヤツェク・カスプシク指揮ワルシャワ国立フィルハーモニー管弦楽団(2018年)各日本公演のソリストを務めるなど、全国各地の演奏会で活躍。その音楽性を高く評価され、2019年5月にはミハイル・プレトニョフ指揮ロシア・ナショナル管弦楽団のロシア公演や、8月にワルシャワ、10月にブリュッセルでのリサイタルに招かれた。
今までに、NHK総合テレビ「プロフェッショナル 仕事の流儀」ほか、様々な番組や媒体でその活動が紹介されている。
2019年に20歳を迎え、これを記念し2020年8月31日に東京・サントリーホールでソロリサイタルを行い大成功を収めた。また2022年3月、デビュー10周年を迎えて開催した記念リサイタルは各地で好評を博した。人気実力とも、若手を代表するピアニストの一人として注目を集めている。

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