主人公のスペイン王子ドン・カルロは、フランス王女エリザベッタと愛し合っていたが、政略結婚によってエリザベッタはほかの男のもとに嫁いでしまう。その嫁ぎ先は、なんとカルロの父、スペイン国王フィリッポ2世……。カルロの親友ロドリーゴ、カルロに恋焦がれるエリザベッタ王妃の女官エボリ公女、そしてスペインとフランドルの対立、さまざまな人物と思惑が交錯しつつ、悲劇的な結末に向かって突き進む本作は、ヴェルディ特有の旋律美に満ちた作品でありながら、作品の規模の大きさゆえ、演奏機会にあまり恵まれていない。
東京二期会が、シュトゥットガルト州立歌劇場と提携し、総力を結集して開催する本公演は、フィリッポ2世役のジョン・ハオ/妻屋秀和、ドン・カルロ役の樋口達哉/城宏憲をはじめ、オペラ界のスターがずらりと並ぶ。
2022年9月にウィーン・フォルクスオーパーの芸術監督に就任した、ロッテ・デ・ベアが演出を手掛ける舞台にも要注目だ。「この物語は私たちの近未来にも通じる」と語る彼女が、《ドン・カルロ》をどのように再解釈するか大いに期待したい。
<文・住吉亜蘭>
公演名 | 東京二期会オペラ ドン・カルロ〈新制作〉 シュトゥットガルト州立歌劇場との提携公演〈二期会創立70周年記念公演〉 |
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日時・会場 | ●9月30日(土) 13:00開演(12:15開場) よこすか芸術劇場 大劇場 ●10月7日(土)、8日(日) 14:00開演(13:00会場) ●10月13日(金) 18:00開演(17:00開場) |
出演 | [指揮]レオナルド・シーニ [演出]ロッテ・デ・ベア [演出補]カルメン・クルーゼ [舞台美術]クリストフ・ヘッツァー [合唱指揮]佐藤 宏 [舞台監督]村田健輔 ■9月30日(土)横須賀/10月7日(土)札幌/10月14日(土)東京 ■10月8日(日)札幌/10月13日(金)東京/10月15日(日)東京 ■全日出演 |
プログラム | ジュゼッペ・ヴェルディ:ドン・カルロ 全5幕〈イタリア語上演/日本語および英語字幕付〉 ※札幌公演は日本語字幕のみ 予定上演時間:約4時間20分(休憩含む) |
チケット |
●9月30日(土)神奈川・横須賀公演 全席指定:S席20,000円 A席16,000円 B席12,000円 C席8,000円 D席8,000円 ●10月7日(土)/10月8日(日)北海道・札幌公演 ●10月13日(金)東京公演 プレミエ・スペシャル料金 ●10月14日(土)/10月15日(日)東京公演 |
お問い合わせ | 二期会チケットセンター TEL:03-3796-1831 |