<5月3日~5日 東京国際フォーラム> 1995年、フランスの港町ナントで始まった音楽祭「ラ・フォル・ジュルネ(熱狂の日)」は、毎年テーマとなる作曲家やコンセプトを定めて、約45分間のコンサートを朝から晩まで手ごろな価格で楽しめるという形態が大人気を博し、2000年からはポルトガルのリスボン、2002年からはスペインのビルバオ、そして2005年からは日本の東京で開催されている。その後も世界各地、日本各地に広がり、クラシック音楽の裾野を広げている。
2005年に初めて日本にラ・フォル・ジュルネがやってきてから20年。今年のテーマは「ORIGINES(オリジン)」だ。音楽の「起源、ルーツ」に焦点を当てて、ドヴォルザークやシベリウス、バルトークなどの「国民楽派」に代表される、古くからその土地に伝わる音楽にインスパイアされた作曲家たちや、「ソナタ」「協奏曲」といった音楽の形式の起源、さらには2000年前のバビロニアで生まれた「ウード」をはじめとする楽器のルーツと歴史、そして音楽史に新たな1ページを書き加えた作曲家たちを取り上げる。
有料コンサート、著名な演奏家によるマスタークラスに加えて、本稿執筆時点ではプログラムが未発表であるが多数の無料コンサート、そしてクラシック音楽関連の物販や国際フォーラムの中庭に集うフードトラックなど、さまざまな楽しみ方ができるラ・フォル・ジュルネ。
本稿では筆者が注目する2公演をピックアップしてご紹介したい。
5月3日(金・祝)の公演番号125、「アメリカの音楽、かく始まれり」では、ピアニストのエマニュエル・シュトロッセとエリプソス四重奏団が、ジョージ・ガーシュウィンの《3つの前奏曲》からの抜粋、フランツ・ワックスマンの《アルテミスへの夢》、レナード・バーンスタインの《ウエスト・サイド・ストーリー》からの抜粋を披露し、アメリカ音楽史を紐解いてゆく。実演に接する機会の少ないワックスマンの作品を聴ける貴重な機会だ。
5月5日(日・祝)の公演番号315、「ミチヨシ&山根VS伊福部の伝説、再び!」では、ヴァイオリニストの山根一仁と指揮者の井上道義がタッグを組み、新日本フィルとともに伊福部昭の《ヴァイオリンと管弦楽のための協奏狂詩曲》に挑む。2024シーズンでの引退を表明しており、これが最後のラ・フォル・ジュルネ出演となる井上道義が振る《シンフォニア・タプカーラ》は必聴。
なお、本稿執筆時点で完売となっている公演も多い。チケットのご購入はお早めに!
<文・加藤新平>
2005年に初めて日本にラ・フォル・ジュルネがやってきてから20年。今年のテーマは「ORIGINES(オリジン)」だ。音楽の「起源、ルーツ」に焦点を当てて、ドヴォルザークやシベリウス、バルトークなどの「国民楽派」に代表される、古くからその土地に伝わる音楽にインスパイアされた作曲家たちや、「ソナタ」「協奏曲」といった音楽の形式の起源、さらには2000年前のバビロニアで生まれた「ウード」をはじめとする楽器のルーツと歴史、そして音楽史に新たな1ページを書き加えた作曲家たちを取り上げる。
有料コンサート、著名な演奏家によるマスタークラスに加えて、本稿執筆時点ではプログラムが未発表であるが多数の無料コンサート、そしてクラシック音楽関連の物販や国際フォーラムの中庭に集うフードトラックなど、さまざまな楽しみ方ができるラ・フォル・ジュルネ。
本稿では筆者が注目する2公演をピックアップしてご紹介したい。
5月3日(金・祝)の公演番号125、「アメリカの音楽、かく始まれり」では、ピアニストのエマニュエル・シュトロッセとエリプソス四重奏団が、ジョージ・ガーシュウィンの《3つの前奏曲》からの抜粋、フランツ・ワックスマンの《アルテミスへの夢》、レナード・バーンスタインの《ウエスト・サイド・ストーリー》からの抜粋を披露し、アメリカ音楽史を紐解いてゆく。実演に接する機会の少ないワックスマンの作品を聴ける貴重な機会だ。
5月5日(日・祝)の公演番号315、「ミチヨシ&山根VS伊福部の伝説、再び!」では、ヴァイオリニストの山根一仁と指揮者の井上道義がタッグを組み、新日本フィルとともに伊福部昭の《ヴァイオリンと管弦楽のための協奏狂詩曲》に挑む。2024シーズンでの引退を表明しており、これが最後のラ・フォル・ジュルネ出演となる井上道義が振る《シンフォニア・タプカーラ》は必聴。
なお、本稿執筆時点で完売となっている公演も多い。チケットのご購入はお早めに!
<文・加藤新平>