<3月23日 埼玉・所沢市民文化センター> 作品背景や作曲家の心情を深く知ることで演奏へアプローチしていくピアニスト・北村朋幹。彼はリサイタルや録音作品でも常に音楽を広くとらえ、有名なものから演奏機会がめずらしいものまで、その深い知識で作品をつなげていく。ソリスト、室内楽奏者など、幅広い範囲で意欲的に活動している北村の今回の演奏会は「リスト《巡礼の年》全曲演奏会」。リストが人生の中で見たもの、経験したことが、北村の感性で生き生きと追体験できるだろう。
《巡礼の年》はリストが旅先での印象やそれにまつわる文学・絵画作品などに着想を得て、約半世紀もの間取り組み続けた大作である。23歳の頃の色鮮やかな旅の思い出から、ピアニストとして歴史的な活躍をした時期を経て、やがて僧籍に入り宗教家として音楽活動を行なった時期に至るまでの、リスト自身の人生観、それに伴う音楽の変化がそのまま表れている。特に〈第3年〉のころにはリストの音楽における調性感が希薄になり、後のドビュッシーや次世代の音楽につながるような先進的な作品も多くなる。4曲目〈エステ荘の噴水〉を聴くと、その神秘的で軽やかな音楽に驚くことだろう。
北村はこの作品やリストへの敬愛をもって、説得力のある《巡礼の年》を聴かせてくれるに違いない。抜粋で演奏されることが多いこれらの曲集を一挙に聴けるのも非常に稀な機会だ。また開演前には、ライターで多くのピアニストにインタビューを行ってきた高坂はる香によるプレトークも予定されている。
リストの人生の追体験ともいえる特別な演奏会をお楽しみに。
《巡礼の年》はリストが旅先での印象やそれにまつわる文学・絵画作品などに着想を得て、約半世紀もの間取り組み続けた大作である。23歳の頃の色鮮やかな旅の思い出から、ピアニストとして歴史的な活躍をした時期を経て、やがて僧籍に入り宗教家として音楽活動を行なった時期に至るまでの、リスト自身の人生観、それに伴う音楽の変化がそのまま表れている。特に〈第3年〉のころにはリストの音楽における調性感が希薄になり、後のドビュッシーや次世代の音楽につながるような先進的な作品も多くなる。4曲目〈エステ荘の噴水〉を聴くと、その神秘的で軽やかな音楽に驚くことだろう。
北村はこの作品やリストへの敬愛をもって、説得力のある《巡礼の年》を聴かせてくれるに違いない。抜粋で演奏されることが多いこれらの曲集を一挙に聴けるのも非常に稀な機会だ。また開演前には、ライターで多くのピアニストにインタビューを行ってきた高坂はる香によるプレトークも予定されている。
リストの人生の追体験ともいえる特別な演奏会をお楽しみに。
<文・山下実紗>
- テーブル
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- テーブル見出し
- 公演名
- テーブル本文
- 北村朋幹[ピアノ]リスト:『巡礼の年』全曲演奏会
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- 日時
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- 3月23日(土) 15:00開演(14:00開場)
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- 会場
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- 所沢市民文化センター ミューズ マーキーホール
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- 出演
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- [ピアノ]北村朋幹
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- プログラム
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- リスト:《巡礼の年》第1年〈スイス〉S.160、第2年〈イタリア〉S.161、第3年 S.163
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- チケット
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- 全席指定:2,300円 ※残席僅少
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- お問い合わせ
- テーブル本文
- 所沢市民文化センター ミューズ
TEL:04-2998-7777(10:00〜18:00)