<6月23日 東京オペラシティ コンサートホール ほか> 2023年はラフマニノフ生誕150周年とあって、各地でラフマニノフ作品が目白押し。東京フィルの6月定期演奏会は、若き日のラフマニノフの人生を変えた2曲を、桂冠指揮者 尾高忠明と、2022年にロン=ティボー国際音楽コンクールピアノ部門で第1位・評論家賞・聴衆賞に輝いた亀井聖矢がタッグを組む。
交響曲第1番は、サウンドの力強さと構成の緻密さで、いまや青年時代のラフマニノフの代表作と目されているが、初演当時の評判は芳しくなく、ラフマニノフは殆ど作曲ができない状態に追い込まれた。ニコライ・ダーリ博士の心理療法の助けも借りて作曲に取り組み、世に送り出した作品こそが、ピアノ協奏曲第2番である。この作品の大ヒットは、ラフマニノフにとってまさに人生の逆転満塁ホームランとなった。
ラフマニノフ・ファンだけでなく、現代音楽ファン、邦人作品ファンが思わず唸る絶妙の選曲も本公演の特徴だ。コンサートの冒頭に演奏される作品は、桂冠指揮者尾高忠明の実兄で2021年に亡くなった尾高惇忠の代表作、《オーケストラのための『イマージュ』》。1981年に尾高忠明の指揮する東京フィルの演奏により初演され、ふたりの父で作曲家・指揮者の尾高尚忠の功績を讃えて制定された「尾高賞」を1982年受賞した本作は、尾高惇忠にとって最初のオーケストラ作品であり、簡潔な構造の中で平明なスタイルによる音楽的表現の可能性を追求した意欲作である。
本公演の「聴きどころ」を尾高と亀井が語った、東京フィル公式YouTubeの動画も必見。クラシック音楽ファン、現代音楽ファンにとって、新たな発見があるはずだ。
交響曲第1番は、サウンドの力強さと構成の緻密さで、いまや青年時代のラフマニノフの代表作と目されているが、初演当時の評判は芳しくなく、ラフマニノフは殆ど作曲ができない状態に追い込まれた。ニコライ・ダーリ博士の心理療法の助けも借りて作曲に取り組み、世に送り出した作品こそが、ピアノ協奏曲第2番である。この作品の大ヒットは、ラフマニノフにとってまさに人生の逆転満塁ホームランとなった。
ラフマニノフ・ファンだけでなく、現代音楽ファン、邦人作品ファンが思わず唸る絶妙の選曲も本公演の特徴だ。コンサートの冒頭に演奏される作品は、桂冠指揮者尾高忠明の実兄で2021年に亡くなった尾高惇忠の代表作、《オーケストラのための『イマージュ』》。1981年に尾高忠明の指揮する東京フィルの演奏により初演され、ふたりの父で作曲家・指揮者の尾高尚忠の功績を讃えて制定された「尾高賞」を1982年受賞した本作は、尾高惇忠にとって最初のオーケストラ作品であり、簡潔な構造の中で平明なスタイルによる音楽的表現の可能性を追求した意欲作である。
本公演の「聴きどころ」を尾高と亀井が語った、東京フィル公式YouTubeの動画も必見。クラシック音楽ファン、現代音楽ファンにとって、新たな発見があるはずだ。
〈文・加藤新平〉
公演名 | 東京フィル2023シーズン6月定期演奏会 指揮:尾高忠明 ピアノ:亀井聖矢 |
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日時・会場 | ●6月23日(金) 19:00開演(18:15開場) 東京オペラシティ コンサートホール ●6月25日(日) 15:00開演(14:15開場) ●6月27日(火) 19:00開演(18:15開場) |
出演 |
[指揮]尾高忠明 [ピアノ]亀井聖矢 [管弦楽]東京フィルハーモニー交響楽団 |
プログラム | 尾高惇忠:オーケストラのための『イマージュ』 ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番、交響曲第1番 |
お問い合わせ | 公益財団法人 東京フィルハーモニー交響楽団 TEL:03-5353-9522(平日10:00~18:00) |