ベルリン交響楽団　《未完成》《皇帝》《運命》

＜6月15日　東京芸術劇場　ほか＞　世界有数の音楽都市で活動するベルリン交響楽団（Berliner Symphoniker）は、2002年以来およそ2年に一度の頻度で日本を訪問していたが、2018年以降、しばらくの間来日を断念していた。今回、このオーケストラは5年ぶりに来日する。2021年からこのオーケストラの主席指揮者となったハンスイェルク・シェレンベルガー（Hansjörg Schellenberger、b.1948）とともに、刷新された音を奏でるためにやってくる。
　プログラムはA、B、Cの3種用意されている。全プログラムに共通するベートーヴェンの《交響曲第5番〈運命〉》を基盤として、それぞれプログラムで別個のソリストが個性的な音楽を届ける。Aプログラムでは、ポーランド出身の若きピアニストピョートル・アレクセイヴィチ（Piotr Alexewicz、b. 2000）がベートーヴェンの《ピアノ協奏曲第5番〈皇帝〉》を奏でる。2021年に開催された第18回ショパン国際ピアノコンクールのセミファイナリスト、新進気鋭の天才肌だ。Bプログラムでは、ベルリンで生を受けた大ピアニスト、フジコ・ヘミング（b. 1932）がベートーヴェンの《ピアノ協奏曲第5番〈皇帝〉》より「第2楽章」とモーツァルトの《ピアノ協奏曲第21番》より「第2楽章」、ショパンの《ピアノ協奏曲第1番》より「第2楽章」、さらに彼女の名刺代わりの名作、ピアノソロ作品《ラ・カンパネラ》を演奏する。大スターが奏でるA、Bプログラムと並び興味を誘うCプログラムでは、モーツァルトの《オーボエ協奏曲》が演奏される。ソリストを務めるのは指揮者シェエレンベルガー。実はこの指揮者、ミュンヘン音楽演劇大学でオーボエを学び、ソロのオーボエ奏者として指揮活動に勝るとも劣らない活躍する才人なのである。
　Aプログラムは名古屋、大阪、福岡、広島、札幌。Bプログラムは東京、岡山、埼玉（越谷）。Cプログラムは山口、東京（武蔵野）。2023年6月中旬から7月上旬までの期間、日本全国ですばらしい音楽を聴くことができる。

〈文・小島広之〉

公演名	ベルリン交響楽団　《未完成》《皇帝》《運命》
日時・会場	6月15日（木）　19:00開演（18:00開場）　【プログラムB】東京芸術劇場　コンサートホール ●6月16日（金）　18:45開演（18:00開場）　【プログラムA】愛知県芸術劇場　コンサートホール ●6月18日（日）　14:00開演（13:00開場）　【プログラムA】ザ・シンフォニーホール ●6月20日（火）　19:00開演（18:00開場）　【プログラムA】アクロス福岡　福岡シンフォニーホール ●6月23日（金）　18:30開演（17:30開場）　【プログラムB】岡山シンフォニーホール ●6月24日（土）　14:00開演（13:00開場）　【プログラムA】広島国際会議場　フェニックスホール ●6月25日（日） 14:00開演（13:30開場）　【プログラムC】周南市文化会館 ●6月28日（水）　18:30開演（17:50開場）　【プログラムA】札幌コンサートホールKitara ●6月29日（木）　19:00開演（18:15開場）　【プログラムC】武蔵野市民文化会館　大ホール ●6月30日（金）　18:30開演（17:30開場）　【プログラムB】サンシティ越谷市民ホール ●7月2日（日）　15:00開演（14:00開場）　【プログラムB】富士市文化会館ロゼシアター　大ホール
出演	［管弦楽］ベルリン交響楽団［指揮］ハンスイェルク・シェレンベルガー、マリオ・コシック［ピアノ］ピョートル・アレクセイヴィチ【プログラムA】、フジコ・ヘミング【プログラムB】［オーボエ］ハンスイェルク・シェレンベルガー【プログラムC】
プログラム	【プログラムA】シューベルト：交響曲第8番《未完成》ベートーヴェン：ピアノ協奏曲第5番《皇帝》（ピアノ：ピョートル・アレクセイヴィチ）ベートーヴェン：交響曲第5番《運命》【プログラムB】モーツァルト：歌劇《フィガロの結婚》より〈序曲〉、ピアノ協奏曲第21番より第2楽章（ピアノ：フジコ・ヘミング）ベートーヴェン：ピアノ協奏曲第5番《皇帝》より第2楽章（ピアノ：フジコ・ヘミング）ショパン：ピアノ協奏曲第1番より第2楽章（ピアノ：フジコ・ヘミング）リスト：ラ・カンパネラ（ピアノ：フジコ・ヘミング）ベートーヴェン：交響曲第5番《運命》【プログラムC】モーツァルト：歌劇《フィガロの結婚》より〈序曲〉、オーボエ協奏曲（オーボエ：ハンスイェルク・シェレンベルガー）ベートーヴェン：交響曲第5番《運命》
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