<9月23日 東京・府中の森芸術劇場> 2021年にジュネーヴ国際音楽コンクールチェロ部門で日本人初の優勝を成し遂げ、いまもっとも波に乗るチェリストの上野通明。2005年に東京国際音楽コンクールで第1位・審査員大賞に輝いて以来、国内外で活躍を続ける若手ピアニストの北村朋幹との共演という形で開催する今回のリサイタルは、そのプログラムの幅広さが特徴だ。
ベートーヴェンのチェロ・ソナタ第1番 ヘ長調 Op.5-1は、バリトンの歌うアリアを思わせる長大な序奏を持つ第1楽章と、舞曲風の第2楽章との対比がみごとな作品である。ショスタコーヴィチのチェロ・ソナタ ニ短調 Op.40も、ベートーヴェンの作品と同様「歌心」に満ちた旋律で始まる作品だ。古典的なフォルムを持ちつつ、諧謔性と抒情性とを行き来する。ピッツィカートを多用し、チェロとピアノが対話しながら半ば即興的に紡がれるヤナーチェクの《おとぎ話》は、本公演でもっとも注目すべき作品だろう。ヤナーチェクという作曲家をよく知らない人でも、一度聴いたら忘れられない美しさ。
本公演のメインは、ブラームスのチェロ・ソナタ第2番 ヘ長調 Op.99。チェロ・ソナタ第1番から21年もの時を経て作曲された本作は、上野と北村の持つ才能とテクニックを堪能する上でベストの選曲だろう。交響曲にも匹敵する充実した内容を持つ作品を、若きふたりがどう料理するか楽しみだ。
ベートーヴェンのチェロ・ソナタ第1番 ヘ長調 Op.5-1は、バリトンの歌うアリアを思わせる長大な序奏を持つ第1楽章と、舞曲風の第2楽章との対比がみごとな作品である。ショスタコーヴィチのチェロ・ソナタ ニ短調 Op.40も、ベートーヴェンの作品と同様「歌心」に満ちた旋律で始まる作品だ。古典的なフォルムを持ちつつ、諧謔性と抒情性とを行き来する。ピッツィカートを多用し、チェロとピアノが対話しながら半ば即興的に紡がれるヤナーチェクの《おとぎ話》は、本公演でもっとも注目すべき作品だろう。ヤナーチェクという作曲家をよく知らない人でも、一度聴いたら忘れられない美しさ。
本公演のメインは、ブラームスのチェロ・ソナタ第2番 ヘ長調 Op.99。チェロ・ソナタ第1番から21年もの時を経て作曲された本作は、上野と北村の持つ才能とテクニックを堪能する上でベストの選曲だろう。交響曲にも匹敵する充実した内容を持つ作品を、若きふたりがどう料理するか楽しみだ。
<文・加藤新平>
公演名 | 府中の森クラシックコレクション 上野通明チェロ・リサイタル ~ピアニスト 北村朋幹と共に~ |
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日時 | 9月23日(土・祝) 14:00開演(13:30開場) |
会場 | 府中の森芸術劇場 ウィーンホール | 出演 | [チェロ]上野通明 [ピアノ]北村朋幹 |
プログラム | ベートーヴェン:チェロ・ソナタ第1番 ヘ長調 Op.5−1 ショスタコーヴィチ:チェロ・ソナタ ニ短調 Op.40 ヤナーチェク: おとぎ話 JW VII/5 ブラームス:チェロ・ソナタ第2番 ヘ長調 Op.99 |
チケット | 全席指定:4,000円 |
お問い合わせ |
チケットふちゅう TEL:042-333-9999 |