<2025年1月25日、26日 北海道・札幌コンサートホール Kitara> 第666回を迎える札幌交響楽団(以下・札響)定期演奏会は、楽団の歴史を振り返る興味深いものとなっている。冒頭を飾るのは、20世紀の日本を代表する作曲家・武満徹の《乱》組曲。名匠・黒澤明監督の同名映画のための音楽を、演奏会用に編曲した作品だ。1985年、札響は「乱」のサウンドトラック演奏を担当した。それからちょうど40年。21世紀の札響は《乱》をどのように響かせるのか?
2曲目は北海道出身の作曲家・伊福部昭の《リトミカ・オスティナータ~ピアノとオーケストラのための》。タイトルは「執拗に反復する律動」という意味で、その名のとおり、5拍子・7拍子の律動が反復される。伊福部の代表作のひとつ、映画「ゴジラ」のテーマも、反復する旋律が印象的だ。ある意味、反復は伊福部のお家芸ともいえる。札響は高関健指揮のもと、伊福部生誕100周年記念演奏会のライブ録音を残しており、やはりゆかりの深い作曲家だ。
本作品でピアノを担当する外山啓介は札幌生まれで、札幌北陵高校在学時に全日本学生音楽コンクール・ピアノ部門北海道大会で第1位を獲得し、全国大会に進出した。今回は久々の凱旋公演となる。
メインの交響曲はシベリウスの第2番。創立指揮者の荒谷正雄をはじめ秋山和慶、尾高忠明とともに、幾度も録音を重ねた札響の看板作品だ。これらの作品を指揮するのは、札響友情指揮者の広上淳一。情熱的かつロマンティックな音作りでファンの多い広上と、しなやかでいながら芯の強い音楽を奏でる札響。その絶妙なコンビネーションに期待が高まる。
また、同プログラムで2025年2月3日(月)に東京公演もあるので、首都圏でも札幌の響きを味わうことができる。首都圏のファンは要チェックだ。
<文・小出和明>
公演名 | 札幌交響楽団 第666回定期演奏会 |
---|---|
日時 | 2025年1月25日(土) 17:00開演(16:20開場) 2025年1月26日(日) 13:00開演(12:20開場) |
会場 | 札幌コンサートホール Kitara 大ホール |
出演 | [指揮]広上淳一 [ピアノ]外山啓介 [管弦楽]札幌交響楽団 |
プログラム | 武満徹:《乱》組曲 伊福部昭:リトミカ・オスティナータ~ピアノとオーケストラのための シベリウス:交響曲第2番 |
チケット | 全席指定:SS席7,000円 S席6,000円 A席5,000円 B席4,500円 C席3,500円 U25割(B,C席)1,500円 |
お問い合わせ | 札幌交響楽団 TEL:011-520-1771 |