
地球のうめきが問うものは――現代の地獄で言葉が交差する
大野和士芸術監督による日本人作曲家委嘱作品シリーズ第3弾として、現代を代表する作曲家として世界的に評価される細川俊夫の新作オペラを上演します。人と自然の関わりを見つめ、祈りと鎮魂としての音楽を書いてきた細川俊夫は、近年は特に、自然への畏怖を忘れた人間の傲慢さを念頭に、破壊の歴史を繰り返す人間の姿を問い続けています。その細川の地球環境をテーマとした新作オペラ『ナターシャ』の台本を手掛けるのは、ドイツを拠点に日本語とドイツ語で小説や詩や戯曲を発表し、世界的な評価と人気を博す作家、多和田葉子。ドイツで作曲を学び活動していた細川とも親交が深く、日本発の多言語オペラを創ろうという誘いに、「脳に電光が走った」といいます。故郷を追われ彷徨う移民ナターシャと青年アラトの邂逅、人間の様々な地獄絵図を見せ二人を導いてゆくメフィスト的存在。彼らの前には森林破壊、洪水、干ばつといった様々な“現代の地獄”が現出し、日本語、ドイツ語、ウクライナ語などの多言語によって、現代文明と人間の始原の姿が対比されていきます。危機に瀕した地球のうめきが根底に響き、多文化を鍵に、破滅と希望が描かれるオペラの誕生です。
<文・新国立劇場>
新国立劇場2024/2025シーズン オペラ 創作委嘱作品・世界初演 新制作
細川俊夫 ナターシャ
全1幕〈日本語、ドイツ語、ウクライナ語ほかによる多言語上演/日本語及び英語字幕付〉
Natasha / Hosokawa Toshio
【公演日程】
2025年8月11日(月・祝)14:00/13日(水)14:00/15日(金)18:30/17日(日)14:00
【会場】
新国立劇場 オペラパレス
【チケット料金】
S:26,400円 ・ A:22,000円 ・ B:15,400円 ・ C:9,900円 ・ D:6,600円・ Z:1,650円
【前売り開始】
2025年5月17日(土) 10:00~
※予定上演時間 約90分(途中休憩なし)
公演情報WEBサイト https://www.nntt.jac.go.jp/opera/natasha
【チケットのご予約・お問い合わせ】
新国立劇場ボックスオフィス TEL:03-5352-9999 (10:00~18:00)
新国立劇場Webボックスオフィス http://nntt.pia.jp/
【チケット取り扱い】
チケットぴあ、イープラス、ローソンチケットほか
* Z席1,650円:
公演当日朝10時より、新国立劇場Webボックスオフィスほかで販売。1人1枚。電話予約不可。
* 当日学生割引(50%)、ジュニア割引(20%)、高齢者割引、障害者割引、学生割引など各種割引あり。*未就学児入場不可
【公演関連イベント】
新作オペラ『ナターシャ』創作の現場から~多和田葉子に聞く~
『ナターシャ』の台本を手掛ける多和田葉子氏を迎え、どのようなことを考えて“多言語オペラ”『ナターシャ』を書いたのか、その創作過程を多和田葉子氏自身による朗読も交えてお聞きするトークイベントを開催します。 司会は多和田葉子作品の解説も手がける、翻訳家・ドイツ文学研究者の松永美穂氏です。
日時:5月15日(木)19時~(開場:18時30分) ※所要時間は約1時間30分を予定
会場:新国立劇場 中劇場
登壇者:多和田葉子(『ナターシャ』台本)
司会:松永美穂(翻訳家・早稲田大学文学学術院文化構想学部教授)
料金:無料・自由席(要事前申込)
詳細・お申込み:下記サイトのお申込みフォームよりお申込みください。
https://www.nntt.jac.go.jp/opera/news/detail/6_029498.html
*やむを得ない事情により、イベントの内容・登壇者等が変更になる場合がございます。
*定員に達し次第、締め切ります(先着順)。
*1回のお申込みにつき2名様まで申し込み可能です。