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<5月23日 北海道・札幌コンサートホール Kitara> 2021年10月、第18回ショパン国際ピアノコンクールで第4位に輝き、一躍時の人となった小林愛実。結婚・出産を経て演奏活動に復帰したいま、日本でもっとも波に乗るピアニストのひとりだ。
1995年に山口県宇部市で生まれた小林は、3歳でピアノを始めると7歳ではやくもオーケストラとの共演を果たし、9歳で国際デビューを飾った。その活躍ぶりに早くからメディアも注目し、フランス・LCIテレビのドキュメンタリー、日本テレビ「深夜の音楽会」、テレビ朝日「題名のない音楽会」、NHK-BS「みんなのショパン」、NHK-BSプレミアム「クラシック倶楽部」など、数多くの番組に出演してきた。ショパン国際ピアノコンクールでの受賞後にはNHK「クローズアップ現代」などにも出演している。
本公演のために小林が選び抜いた作品は、ラヴェルの《前奏曲》《ボロディン風に》《シャブリエ風に》、シューマンの《クライスレリアーナ》Op.16、そしてショパンの《3つのマズルカ》Op.50、ピアノ・ソナタ第3番 ロ短調 Op.58という、フランス、ドイツ、ポーランドの名曲たち。
《ボロディン風に》《シャブリエ風に》は、タイトルのとおりのパロディ作品。一方、《前奏曲》はパリ音楽院の初見演奏試験課題として書かれたもので、短い作品ながらラヴェルの技術の粋を集めた傑作である。《クライスレリアーナ》は、シューマンが1838年に作曲したピアノ曲集で、作家・画家・音楽家のE.T.A.ホフマンの同名の音楽評論集に触発されて書かれたもの。ショパンに献呈された本作は、曲想の変化に富んだ8曲で構成されており、ピアノ・ソナタに匹敵する規模をもつ。マズルカは、ショパンが生涯にわたって書き続けたライフワークであり、ピアノ・ソナタ第3番は堂々たるスケール感と旋律の美しさで、ショパンの全作のなかでも最上位に位置付けられる。
珠玉の名曲を小林の演奏で堪能する、これ以上の贅沢があろうか。札幌の、北海道のピアノ・ファン必聴の公演である。
<文・加藤新平>
公演名 | 小林愛実ピアノ・リサイタル |
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日時 | 5月23日(金) 19:00開演(18:15開場) |
会場 | 札幌コンサートホールKitara 大ホール |
出演 | [ピアノ]小林愛実 |
プログラム |
ラヴェル:前奏曲、ボロディン風に、シャブリエ風に シューマン:クライスレリアーナ Op.16 ショパン:3つのマズルカ Op.59、ピアノ・ソナタ第3番 ロ短調 Op.58 |
チケット | 全席指定:S席5,000円 A席4,000円 |
お問い合わせ |
オフィス・ワン TEL:011-612-8696 |