
<6月14日 熊本県立劇場コンサートホール> 日本を代表するヴァイオリニストとして世界を飛び回るHIMARI。3歳よりヴァイオリンを始め、6歳でオーケストラと初共演を果たした彼女は、2022年には史上最年少でアメリカの名門カーティス音楽院に入学し研鑽を積んでいる。2021年の第15回リピンスキ・ヴィエニヤフスキ国際ヴァイオリンコンクールにおける、第1位を上回る特賞グランプリの受賞をはじめ、国際的なコンクールでの活躍も目覚ましい。また、2024年12月31日にはフィラデルフィア管弦楽団のコンサート「New Year’s Eve Celebration」にてマリン・アルソップと共演を果たし、2025年3月にはズービン・メータ率いるベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の定期演奏会に出演するなど、ソリストとしてのキャリアも確実に積み重ねている。
今回、HIMARIとデュオで共演する吉田恭子は、桐朋学園大学音楽学部を卒業後、文化庁芸術家海外派遣研修生として、イギリスのギルドホール音楽院、アメリカのマンハッタン音楽院に留学した経歴をもつ。2001年に、クラシックの音楽家としては稀な「CD2枚同時発売」という形でCDデビューを果たし、これまでにリリースした9枚のアルバムはいずれも高く評価されており、その実力は折り紙付きだ。
伴奏にピアニストの河野絃子を迎えて開催される本公演では、ドビュッシーの《月の光》や、サラサーテの《ナヴァラ》など、多くの人に親しまれてきた作品を披露する。とりわけ、ショスタコーヴィチの《2台のヴァイオリンとピアノのための5つの小品》は要注目。ショスタコーヴィチといえば、交響曲第4番や第14番に代表される晦渋さや、交響曲第5番や第10番、さらには《祝典序曲》にも表れている強烈な推進力がまずイメージされるが、本作は2台のヴァイオリンとピアノが奏でる爽やかなハーモニーと、時にしっとり、時に軽快な旋律が美しい。
本作は、作曲者の友人レフ・アトフミャンによって編曲された作品である。〈プレリュード〉〈ガヴォット〉〈エレジー〉〈ワルツ〉〈ポルカ〉のうち、〈プレリュード〉は1955年の映画『馬あぶ』の音楽から、〈ガヴォット〉〈エレジー〉は演劇『人間喜劇』の音楽から、そして〈ポルカ〉はバレエ『明るい川』から引用されている。筆者のイチオシである〈ワルツ〉は、ロシアの文豪プーシキンの原作によるアニメ映画『司祭と下男バルドの物語』の音楽がもとになっている。
いま、おそらく世界でもっとも忙しい13歳であるHIMARIと、日本ユニセフ協会「オードリー・ヘップバーン子供基金コンサート」や環境雑誌「ソトコト」での活動をはじめ、子どもたちと自然・エコロジー・音楽・チャリティーに対する活動で日本の音楽界を牽引する吉田の共演は、熊本の、九州のクラシック音楽ファンにとって至高のひとときとなろう。チケットは完売必至。ご購入はお早めに!
<文・加藤新平>
公演名 | HIMARI×吉田恭子 DUOコンサート |
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日時 | 6月14日(土) 19:00開演(18:15開場) |
会場 | 熊本県立劇場 コンサートホール |
出演 | [ヴァイオリン]HIMARI、吉田恭子 |
プログラム |
ショスタコーヴィチ:2台のヴァイオリンと5つの小品 ドビュッシー:月の光 サラサーテ:ナヴァラ ほか |
チケット | 全席指定:5,000円 |
お問い合わせ |
RKK熊本放送イベント TEL:096-328-5525(平日10:00~17:00) |