●このコンサートは終了しました。

＜6月2日　岩手・盛岡市民文化ホール　ほか＞　ルゥォ・ジャチン（Luo Jiaquing、b. 1999）は、アメリカのニューイングランド音楽院でショパン国際ピアノコンクール（1980年）の優勝者ダン・タイ・ソンから学ぶ、中国出身の気鋭の若手ピアニストである。2001年から3年おきに開催されている仙台国際音楽コンクールの第8回大会（2022年）ピアノ部門では、第1位を獲得した。
　このコンクールで高い評価を得たシューマン《ピアノソナタ第1番》を再び演奏する。指を故障し、『音楽新報』を創刊した頃の若きシューマンによる作品を、同じく若いルゥォがどのように解釈するのか楽しみである。さらにルゥォは、18世紀の終わりに作曲されたハイドン《ピアノソナタ第58番》と、19世紀後半のピアニズムを煮詰めたような《ヴァルス・カプリス第1番》など小品集、リスト《ノルマの回想》を通して、音楽の盛期の魅力を存分に伝えてくれるようだ。特にベッリーニのオペラを自由にパラフレーズした大曲《ノルマの回想》への期待が高まる。
　一流のピアノが使用される。カワイの最上位ピアノ「カワイフルコンサートピアノSK-EX」は、ルゥォが優勝した第8回仙台国際音楽コンクールをはじめとするさまざまな国際コンクールでも使用されたモデル。2023年6月2日（金）に盛岡、6月6日（火）に札幌、ルゥォ・ジャチンがやってくる。

＜文・小島広之＞

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