第743回東京定期演奏会<秋季>
〜戦争前夜の1935年。
日本とイギリスで書かれた「粋」と「誇り」の世界〜

●下記は期日の過ぎた内容が含まれます。


 <9月2日、3日 東京・サントリーホール>山田和樹が毎年意欲的なプログラムに取り組むことで話題の、新シーズンの幕開けを飾る日本フィルの東京定期演奏会。今年は、戦前日本が生んだ夭折の天才・貴志康一と、20世紀イギリスを代表するウォルトンの作品が取り上げられます。
 貴志はヴァイオリニストでもありまた指揮者としても活躍し、ベルリン・フィルと自作を演奏するなど輝かしい実績を残しました。前半はそんな彼の《ヴァイオリン協奏曲》が披露されます。山田も「日本史上に残る名曲のひとつ」と語る本作は、ヴァイオリンの技巧を際立たせながらも叙情的な旋律が印象的。ロマンティックな中にも、終始どこか日本っぽさが漂う旋律によって展開されていきます。ソリストは、9月から同楽団のソロ・コンサートマスターに就任する田野倉雅秋が務め、彼の熱のこもった演奏には山田も期待を寄せています。
 後半に演奏されるのは、イギリスの作曲家ウォルトンの《交響曲第1番》です。山田とイギリスといえば、来年4月から山田がバーミンガム市交響楽団(CBSO)の首席指揮者兼アーティスティックアドバイザーに就任することが発表されています。さらにCBSOはこれまでサイモン・ラトルやアンドリス・ネルソンスなど、錚々たる指揮者がそこでポジションを務めてきたことでも知られています。7月にイギリスで行われた、世界最大級の歴史あるあるクラシック音楽祭BBCプロムスでも、現地ガーディアン紙をはじめ、山田とCBSOの共演は大絶賛。本作はイギリスのオーケストラの指揮者になると必ず演奏する曲のひとつに数えられているそうで、来年に先駆けて日本で聴くことのできる貴重な機会となること間違いなし!
 一見すると単に邦人とイギリス人作曲家の作品が並んでいるように思える今回のプログラムですが、実は両作品は第二次世界大戦前の1935年に書かれたという点で共通しています。貴志のように、現在世界を股にかけて活躍する山田が日本フィルと共に東洋と西洋の狭間の響きをどのように作り出すのか、注目です。そこには時代を超えて立ち上がってくる音響空間が広がることでしょう。なお、3日の公演は配信もあるので全国どこからでも楽しむことができます。ぜひ、チェックしてみてください!
<文・ららら♪クラブ編集部>

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公演名 第743回東京定期演奏会<秋季>
〜戦前前夜の1935年。日本とイギリスで書かれた「粋」と「誇り」の世界〜
日時 9月2日(金)19:00(18:20開場/18:30〜プレトークあり)
9月3日(土)14:00(13:10開場/13:20〜プレトークあり)*
*配信あり
会場 サントリーホール
出演 [指揮]山田和樹
[ヴァイオリン]田野倉雅秋(日本フィル・コンサートマスター)
[管弦楽]日本フィルハーモニー交響楽団
プログラム 貴志康一:ヴァイオリン協奏曲
ウォルトン:交響曲第1番
チケット S¥8,000 
A¥6,500 
B¥6,000 
C完売 
P¥4,000 
Ys(25歳以下)¥1,500
詳細 こちら
お問い合わせ 日本フィル・サービスセンター TEL:03-5378-5911(平日11:00〜17:00)

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