ショパン・コンサート
演奏曲人気投票 リスト曲紹介 Vol.1

Best Requests Classics Vol.1 

●即興曲 第1番 変イ長調 Op.29
《幻想即興曲》と並ぶ人気を誇る作品。きらめきながら流れ続ける華麗な旋律は、ショパンらしい装飾音の使い方が見事。中間部は一転して、落ち着いたコラール。もの悲しい旋律がくっきりとしたコントラストを作り出す。

●即興曲 第2番 嬰へ長調 Op.36
第1番とは打って変わって、落ち着いた雰囲気の素朴な旋律が印象的。低音域からゆったりと立ち上る雄大な行進曲を経て、少しずつ技巧的なパッセージが顔を出し、右手が軽やかに駆け回る。転調の面白さも味わえる作品。

●即興曲 第3番 変ト長調 Op.51
3連符が全曲にちりばめられていることで、リズム面では対比よりも統一感を重視しているが、めまぐるしく転調を繰り返すことで、変化に富んだ作品に仕上がっている。左手に歌謡風の旋律が現れる箇所など、立体的な書法も特徴。

●即興曲 第4番 嬰ハ短調 [遺作] Op.66 「幻想即興曲」
ショパンの死後、遺作として出版されたが、実は第1番よりも先に作曲されていた作品。左手の6連符が、作品全体に統一感を与えつつも、儚さを加味している。中間部の穏やかで明るい旋律が、悲劇性に満ちた作品に光を与える。

●夜想曲 第1番 変ロ短調 Op.9-1
左手で一定のパターンの伴奏が繰り返される中、息の長い歌謡風の旋律が右手で朗々と歌われるという、ジョン・フィールドがまとめ上げた夜想曲の基本をきっちりとおさえた作品。きらびやかな技巧性ではなく、静かで落ち着いた歌心で聴く者の胸を打つ一曲。

●夜想曲 第2番 変ホ長調 Op.9-2
「ショパンのノクターン」と言えばこの曲。実は、ショパンのほかの作品に比べると、対比に乏しく構成もいたってシンプルなのだが、そういった弱さを補って余りあるほどにメロディが美しい。装飾音の織り込み方も、ショパンのセンスが光る。

●夜想曲 第5番 嬰ヘ長調 Op.15-2
ジョン・フィールドの影響を脱して、ショパンのオリジナルの「夜想曲」を追求し始めた時期の作品。一見シンプルなようでいて、5連符を駆使しつつ、右手になんと3つの旋律を入れ込むなど、実は非常に立体的な作品。

●夜想曲 第8番 変ニ長調 Op.27-2
ふたたび、ジョン・フィールドの影響が色濃くなってきた時期の作品。繰り返される伴奏の形、流麗に歌い続けられる旋律。しかし気が付くと、始まった時とは全く違う調の響きの中にいる。ショパンの転調の魔術がここにある。

●夜想曲 第16番 変ホ長調 Op.55-2
第1番や第8番のような、「フィールド風」の作品に見えるが、対位法の技術が駆使されており、ショパンが自己研鑽を続けていたということを教えてくれる作品。息の長い歌謡風の旋律だけでなく、内声に現れる対旋律が実はこの曲の最も重要な聴きどころ。

●夜想曲 第20番 嬰ハ短調 [遺作] KK. IVa-16
第2番と並んで、ショパンのノクターンの中でも非常に演奏頻度の高い作品だが、実はこの曲、「ノクターン」とは名づけられていない。20歳前後の時期に、姉のために書いたといわれる作品で、ピアノ協奏曲第2番のモチーフが顔をのぞかせる。

●12の練習曲 第3番 ホ長調 「別れの曲」 Op.10-3
冒頭部分の穏やかな旋律は、卒業式などでもよく聴かれ、歌詞がつけられて合唱曲としても歌われることがある。ショパンの作品の中でも最も有名といっても過言ではないが、中間部の激しさとの対比に驚く人も多いことだろう。

●12の練習曲 第4番 嬰ハ短調 Op.10-4
めまぐるしく駆け回る16分音符が右手にも左手にもちりばめられた、指の機動力が重要な作品。しかし、指の動きだけで終わるようなものではなく、表現力も求められる。短いながらも、聴き終えた後の充実感は規模の大きな作品に匹敵する。

●12の練習曲 第5番 変ト長調 「黒鍵」 Op.10-5
「黒鍵」と呼ばれるようになったのは、右手で演奏される旋律がほぼすべて黒鍵を用いて書かれているからである。では右手が白鍵を弾く回数はというと、なんとたったの1回。ショパンの作品の中でも、とりわけコンセプトが明確な作品。

●12の練習曲 第12番 ハ短調 「革命」 Op.10-12
ショパンが演奏旅行のために祖国を離れてフランスに向かう途中、ロシア帝国のポーランド支配に対する武装蜂起が失敗したとの報せを聞いて作曲した…というエピソードがあまりにも有名。左手の機動力が求められる一曲。

●12の練習曲 第1番 変イ長調 「エオリアンハープ」 Op.25-1
この曲を「エオリアンハープのようだ」と評したのはロベルト・シューマンであるとされている。ちなみにエオリアンハープとは、皆さんがイメージする「ハープ」とはまるで別物。自然に吹く風を使って音を鳴らす、人の手を介さない楽器である。

●12の練習曲 第9番 変ト長調 「蝶々」 Op.25-9
ショパンのエチュードの中で一番短い作品。まるで蝶々が飛び回るように、軽快で華麗な作品だが、かわいらしい印象とは裏腹に求められる演奏技術は高く、右手の三度重音とオクターヴの目まぐるしい切り替えが特徴的。

●12の練習曲 第11番 イ短調 「木枯し」 Op.25-11
ゆるやかに単音で奏される旋律が、和音を伴って静かに繰り返される序奏が終わるやいなや、すべてを吹き飛ばすかのごとく、猛烈で荒々しい分散和音が右手に現れる。ちなみに、日本における「木枯らし」の定義は風速8m/s以上とのこと。

●12の練習曲 第12番 ハ短調 「大洋」 Op.25-12
「大洋」という愛称から、穏やかな海、荒れた海、どちらを連想するだろうか。この作品は、寄せては返す荒波のような、左右の手で幅広い音域を上下するアルペジオの連鎖が特徴的。深い海の奥底から、ゆったりとした旋律が顔をのぞかせる。

Best Requests Classics Vol.1 ショパン・コンサート
公演の詳細はこちら

Best Requests Classics リクエスト曲紹介link
Vol.2はこちら ♪Vol.3はこちら

シェア!