2021年5月29日(現地時間)、チャイコフスキー国際コンクール、ショパン国際ピアノコンクールと並ぶ世界3大音楽コンクールの1つ、エリザベート王妃国際音楽コンクール(ベルギー)にてピアニスト・務川慧悟さんが第3位、阪田知樹さんが第4位に入賞しました。
昨年、新型コロナウィルス感染拡大のため延期された同コンクールのピアノ部門は、2021年5月3日から1次予選が行われ、5月29日23時に結果が発表されました(現地時間)。審査は全て無観客で行われ、本来1次予選には74人が選出される予定が、今回は58人に。またファイナリストも通例の12人から6人に人数を絞るなど、異例の大会となりました。ファイナルを迎えるにあたって務川さん、阪田さんは、このコンクール独特の課題でもある「外部との連絡を遮断し、1週間隔離」という状況の中で、ブルーノ・マントヴァーニによって当コンクールのために書き下ろされた新曲《妖精の庭から》と向き合い、音楽を深めていきました。ファイナルの舞台ではそれぞれマントヴァーニの新曲と、務川さんはプロコフィエフの《ピアノ協奏曲 第2番 Op.16》を、阪田さんはブラームスの《ピアノ協奏曲 第2番 Op.83》をヒュー・ウルフ指揮のベルギー国立管弦楽団と共演しました。
エリザベート王妃国際音楽コンクールとは・・・1937年にベルギーのエリザベート王妃とベルギーのヴァイオリニスト、ウジェーヌ・イサオーシュの呼びかけで設立され、ベルギーの首都ブリュッセルで4年ごとにピアノ、ヴァイオリン、声楽、チェロのために行われている。
2021年度 エリザベート王妃国際音楽コンクール ピアノ部門 結果
Jonathan Fournel, 27, France – First Prize
Sergei Redkin, 29, Russie – Second Prize
Keigo Mukawa, 28, Japon – Third Prize
Tomoki Sakata, 27, Japon – Fourth Prize
italy Starikov, 26, Russie – Fifth Prize
Dmitry Sin, 26, Russie – Sixth Prize
務川慧悟さんよりコメント

とても嬉しい結果です。応援いただきました皆様に感謝しております。一度はコンクールを受けることに迷いもありましたが、この1ヶ月、とても学ぶことが多く、今後のピアニストとして、ある意味転機なりました。今はもっと学びたい、経験を重ねたいと思っています。
*務川慧悟は現在、パリ国立高等音楽院、第2課程ピアノ科、室内楽科を修了し、現在、第3課程ピアノ科(Diplôme d’Artiste Interprète)、同音楽院フォルテピアノ科に在籍しながら2019年ロン=ティボー=クレスパン国際コンクールにて第2位入賞後日本での本格的デビュー、パリを中心のヨーロッパでの活動を続けている。
インタビュー(コンクール前に実施したものです。)
コンサート情報
オフィシャルサイト
阪田知樹さんよりコメント

©HIDEKI NAMAI
これまで世界的に優れたピアニストを輩出してきた『エリザベート王妃国際コンクール』に、デビューから10年を経て挑んだことはこの先のピアニスト人生での大きな糧となります。これからも芸術家として、より一層研鑽を積んでまいります。このたびはたくさんの方々に応援していただき、ありがとうございました。
*阪田知樹・・・2016年フランツ・リスト国際ピアノコンクール(ハンガリー・ブダペスト)第1位、6つの特別賞。東京藝大を経て、ハノーファー音楽演劇大学大学院ソリスト課程に在籍。ピティナ・ピアノコンペティション特級グランプリ、聴衆賞等5つの特別賞、クリーヴランド国際ピアノコンクールにてモーツァルト演奏における特別賞、キッシンジャー国際ピアノオリンピックでは日本人初となる第1位及び聴衆賞。国内はもとより、世界各地20カ国で演奏を重ね、国際音楽祭への出演多数。