
新型コロナウィルスの影響が未だ続く中、シーズン半ばの音楽界も新たな年を迎えました。各劇場は再開に向けて動き続けています。今回もまた前回に引き続き、国内外のライブ・ストリーミングやアーカイブ配信を行なっているサイトをピックアップしご紹介します。お気に入りのアーティストやコンサートホール、オペラ劇場の提供するパフォーマンスをお楽しみください。

【medici tv】
フランスを拠点にクラシックに特化した映像ストリーミング・サービスをグローバルに展開する「medici.tv(メディチ・ティービー)」。厳選された話題のコンサート映像を無料で楽しめます。
*視聴の際はログインが必要となります。
【medici.tv JAPAN】
medici.tv JAPANでは、「サントリーホールARKクラシックス」のコンサートや、佐渡裕とシエナ・ウインド・オーケストラによる人気楽曲の演奏と各パートのワンポイント・レッスン動画などが公開されています。
*毎週無料で公開(毎週金曜日更新予定)
【OperaVision】
OperaVisionでは、ヨーロッパ17カ国の29カンパニーと提携し、各オペラハウス独自のステージ・トレーラー(抜粋)を、無料オンデマンドで配信しています。 造詣の深いキュレーションのもと、豊富なデジタル・ライブラリ、ストーリー、記事を閲覧し特定の作品について深く知ることもできます。
*英語、フランス語、ドイツ語対応
【ジャパンアーツ ライブ・ビューイング】
クラシック音楽事務所ジャパン・アーツのオンライン配信「ジャパン・アーツ ライブ・ビューイング」では、藤田真央、河村尚子らの公演ライブ配信を期間限定で視聴することが可能です。
*利用方法は、ぴあライブ動画配信サービス「PIA LIVE STREAM」でご確認ください。
【ジャパン・アーツ リビングルーム劇場 Japan Arts Living Room Theatre】
『ジャパン・アーツ ライブ・ビューイング』で配信された公演等のダイジェスト版です。併せてお楽しみください。
詳細はこちら
【テレビマンユニオン チャンネル –CLASSICAL MUSIC–】
様々なクラシック・コンサートの模様を一部抜粋で視聴することができます。
川瀬賢太郎(指揮)、竹澤恭子(ヴァイオリン)、日本フィルハーモニー交響楽団によるベートーヴェン・プログラム(レオノーレ第3番, 交響曲第8番, ヴァイオリン協奏曲)、サントリーホール チェンバーミュージック・ガーデン2020など、その他名演の数々が公開されています。
詳細はこちら

【メトロポリタン歌劇場】
「Nightly Met Opera Stream」(Live in HD Series)の無料ストリームが、各日7:30〜翌日6:30(現地時刻)の間配信されています。オペラのスター歌手たちが衛星回線でライブ・パフォーマンスするペイ・パー・ビュー・コンサート・シリーズ「Met Stars Live in Concert」も配信中。1月23日はピョートル・ベチャワ(テノール)&ソンドラ・ラドヴァノフスキ(ソプラノ)、2月6日はアンナ・ネトレプコ(ソプラノ)、2月27日はソーニャ・ヨンチェヴァ(ソプラノ)の出演が予定されています。
*配信の詳細はメトロポリタン歌劇場ホームページでご確認ください。
【ローマ歌劇場】
ローマ歌劇場ホームページでは、過去公演の中から「Digital Theatre」としてオンデマンド視聴することができます。2021年はヤングアーティストプログラムの《シューベルティアーデ》、ブラームスのピアノ作品を合唱とピアノ4手で演奏する編曲プログラム《Vi piace Brahms》その他が公開予定です。
*配信は予告なく公開終了となる場合があります。ローマ歌劇場ホームページでご確認ください。
【ベルリン・コンツェルトハウス】
ベルリン・コンツェルトハウスの「#konzertZUhaus」では、ベルリン・コンツェルトハウス管弦楽団のライブストリーム、クラシック音楽ストリーミングアプリ「IDAGIO」のプレイリスト(毎週月曜日にミュージシャンが追加更新)、子ども向けコンテンツ、ホールに所縁のあるヴァイオリニスト、ヴィヴィアン・ハグナー、日下紗矢子、ヴェロニカ・エーベルレ、ミドリ・ザイラーほか6名がバッハの名曲を作品番号順に演奏する動画を配信中です。
【バイエルン国立歌劇場】
「STAATSOPER.TV」では、ビデオ・オンデマンドが提供されています。「Montagsstück」では、2021年に没後150年を迎えるサン=サーンス《クリスマス・オラトリオ》、2月はウェーバー《こうもり》、3月はR.シュトラウス《ばらの騎士》が配信予定です。
*視聴の際はバイエルン歌劇場ホームページのコンテンツメニューから「STAATSOPER.TV」へアクセスしてください。
【ウィーン国立歌劇場】
ウィーン国立歌劇場のライブストリーム「Live-Streams aus der Wiener Staatsoper」は、今シーズン限定でオーストリア国内のみでなく海外にも公開中です。プログラムは週替わりで告知されますので、劇場ホームページでご確認ください。
*視聴の際はユーザー登録が必要となります。動画は72時間視聴可能です。
【フィンランド国立歌劇場】
フィンランド国立歌劇場の「Stage24」では、オペラとバレエのバーチャル・ステージを配信しています。モーツァルトの《コシ・ファン・トゥッテ》を下敷きにしたオリジナル・オペラ《Covid fan tutte》や、ヴェルディ《イル・トロヴァトーレ》他、個性的なラインナップを楽しむことができます。
*配信作品は演目により日本で視聴できない場合があります。
【パリ・オペラ座】
パリ・オペラ座では、管弦楽からバレエ、オペラなど、さまざまな舞台映像が配信されています。多くはフランス国内限定のコンテンツですが、オーケストラ奏者へのインタビュー(英語字幕付き)や「3e scène」の配信するアートビデオなど、日本から視聴できる作品も公開されています。
【フィラルモニー・ド・パリ】
「Philharmonie de Paris LIVE」はパリの音楽ホールPhilharmonie de Parisが配信するコンテンツです。チョン・ミョンフン(指揮)とマルタ・アルゲリッチ(ピアノ)によるプロコフィエフ「ピアノ協奏曲第3番」や、ダニエル・ハーディング(指揮)によるマーラー「大地の歌」などが配信中。
【英国ロイヤル・オペラ】
英国ロイヤル・オペラではいくつかのオペラ作品を有料で提供しています。2021年のスタートはチャイコフスキー《くるみ割り人形》の配信から。視聴する際はユーザー登録が必要となりますが、動画は30日間視聴可能です。
*配信や視聴に関する詳細は英国ロイヤル・オペラ・ホームページでご確認ください。
【ロイヤル・アルバート・ホール】
「音楽の殿堂」とも呼ばれる世界最高峰のコンサートホールのひとつ、ロンドンの「ロイヤル・アルバート・ホール」は「ロイヤル・アルバート・ホーム」と名を変え、多彩なプログラムを公開しています。KTタンストールから王立合唱協会まで、ホールにゆかりのあるさまざまなアーティストたちが自宅からリモート出演しています。
【ウィグモア・ホール】
ロンドンのウィグモア・ホールでは「Spring 2021 Wigmore Series」のライブ・ストリーミングが配信されます。アンドラーシュ・シフ(ピアノ)、クリスティアン・ゲルハーヘル(バリトン)、エリザベス・ルエリン(ソプラノ)、イゴール・レヴィット(ピアノ)、アリーナ・イブラギモヴァ(ヴァイオリン)やパヴェル・ハース四重奏団他、気鋭の演奏者たちが出演します。
*各配信は30日間試聴可能です。なお、視聴の際はユーザー登録が必要です。詳細はウィグモアホール・ホームページにてご確認ください。
【マリインスキー劇場】
マリインスキー劇場では、公式YouTubeチャンネルや「mariinsky.tv」をプラットフォームとしたオンライン放送を行なっています。過去公演のアーカイブ映像が公開されています。
*24時間視聴可能。
【ストックホルム・コンサートホール】
スウェーデンのストックホルム・コンサートホールはホームページで「KONSERTHUSET PLAY」として、ロイヤル・ストックホルム・フィルハーモニー管弦楽団による演奏や、子ども向けのコンサートなどを無料で公開しています。アラン・ギルバート(指揮)、クリスティアン・リンドベルイ(指揮・トロンボーン)、ラファエル・パヤーレ(指揮)他、出演。
【オランダ国立オペラ&バレエ】
「NATIONALE OPERA & BALLET ONLINE」では、キャメロン・シャーバジ(カウンターテナー)の発声レッスン動画や、「World Ballet Day Live」など、モダンなプログラムが無料で公開されています。2020年12月20日〜2021年1月17日は、オランダ国立オペラ合唱団とロレンツォ・ヴィオッティ(指揮)の有料オンライン・コンサートが配信中。
【サントリーホール】
サントリーホールではパイプ・オルガンやオーケストラの演奏を、大人から子供まで楽しめる無料動画「ENJOY! MUSIC プログラム2020特別編」が配信されています。
【東京文化会館】
「東京文化会館チャンネル」では、これまでに行われた主催公演の記録映像等が期間限定で無料配信されています。
【水戸芸術館】
指揮者・小澤征爾が館長を務める水戸芸術館の「水戸芸術館サウンド・ライブラリー」では名手が集う専属楽団「水戸室内管弦楽団」や「新ダヴィッド同盟」による公演が期間限定で配信されています。
【東京芸術劇場】
東京芸術劇場の「芸劇ch_公演情報」では公演情報を動画で紹介しています。気鋭の作曲家・藤倉大と東京芸術劇場による異色の音楽祭「”Born Creative” Festival」(通称:ボンクリ・フェス)2017年〜2019年のスペシャル・コンサートから、選りすぐりのアーカイブ映像も無料公開中です。
【ミューザ川崎シンフォニーホール】
オフィシャル動画ブログ「おうちでミューザ」では、東京交響楽団メンバー出演による楽器クイズ、バーチャルオーケストラによる「みんなdeボレロ」など、楽しい動画が配信されています。また、2020年7月23日〜8月10日に開催された「フェスタサマーミューザKAWASAKI2020」のダイジェスト映像がYouTube公式チャンネルにて公開中です。

【富士山河口湖音楽祭2020】
2020年8月15日〜23日に開催され、オンラインで配信された第19回「富士山河口湖音楽祭」。視聴者+上野耕平(サックス)、池上英樹(打・マリンバ)、宮川彬良(指揮)、川瀬賢太郎(指揮)、シエナ・スピリッツによる楽しいプログラムが無料で公開されています。
【国際オンライン音楽祭】
2020年10月24日にオンライン開催された新しい国際交流プラットフォーム「国際オンライン音楽祭」。新しい音楽文化交流の場所として、現在進行形で活力のある伝統音楽のアーティストたちが紹介されています。
【サラダ音楽祭】
「Sing and Listen and Dance」~歌う!聴く!踊る!をコンセプトに持つ音楽祭「サラダ音楽祭」のホームページでは、バラエティ豊かな無料動画を期間限定で配信しています。自宅で東京都響の楽団員によるカルテットの演奏動画と合わせて一緒に演奏する「カラカルテット」や、手の動きで歌の世界を表現する「手歌(しゅか)」などのラインナップを楽しむことができます。

【ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団】
「デジタル・コンサート・ホール」をご存知の方は多いかもしれません。主席指揮者キリル・ペトレンコのプレイリストが無料お試し視聴できるサービスのほか、ライブ・ストリーミング中継を有料(サブスクリプション)で視聴することができます。1月17日はラフマニノフのオペラ《フランチェスカ・ダ・リミニ》(演奏会形式)他が配信予定です。
*各回2:00(日本時間)から配信予定。視聴の際はユーザー登録が必要です。
詳細はこちらから
【ボストン交響楽団】
「BSO at Home」では過去の公演の音源を無料で公開しています。レナード・バーンスタインやヴァン・クライバーン、ルドルフ・ゼルキンら巨匠との歴史的名演や、小澤征爾、現在オーケストラを率いるアンドリス・ネルソンスらとBSOとの熱演を楽しむことができます。
【デトロイト交響楽団】
「DSO REPLAY」では若手指揮者のラファエル・パヤーレから巨匠レナード・スラットキンに至るまで幅広い指揮者のほか、バラエティに富んだ作曲家の作品、客演ソリストのアンコールまで、多数のコンテンツが配信されています。また、「DSO Digital Concert」ではさらに拡張されたレパートリーも準備中とのこと。
*視聴の際はユーザー登録が必要です。
*リンク先へ飛ばない場合は、デトロイト交響楽団ホームページのコンテンツメニューから「DSO LIVE, REPLAY & CLASSROOM EDITION」へアクセスしてください。
【ロンドン交響楽団】
45分間のランチタイム・コンサート・シリーズ「LSO Discovery Friday Lunchtime Concert」や、公式YouTubeチャンネル、その他ストリーミング音源などが配信されています。
詳細はこちらから
*リンク先へ飛ばない場合は、ロンドン交響楽団ホームページのコンテンツメニューから「Discover More」へアクセスしてください。
【ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管弦楽団】
スコットランドのオーケストラ、ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管弦楽団はベートーベン生誕250年を祝う10コンサートを「Digital Season」として有料配信しています。また、「Friday Night Club」では15の無料コンテンツも配信中。
*視聴の際はユーザー登録が必要となります。詳細はロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管弦楽団ホームページでご確認ください。
【オーストラリア室内管弦楽団】
「ACO StudioCasts」はオーストラリア室内管弦楽団のオンラインコンサートです。2月17日からの「Rapture & Revolution」では、リチャード・トネッティによるヴォーン・ウィリアムズ「The Lark Ascending 」、トネッティ編曲ベートーベン「カヴァティーナと大フーガの弦楽オーケストラ」などが公開されます。
*視聴の際はユーザー登録が必要となります。詳細はオーストラリア室内管弦楽団ホームページでご確認ください。
【東京都交響楽団】
都響アーカイブスではこれまでの公演ハイライトや、大野和士のインタビューなど、スペシャルコンテンツが無料配信されています。
詳細はこちらから
【日本フィルハーモニー交響楽団】
過去に催された日本フィルのコンサートの一部がテレビマンユニオンチャンネルのサイトで無料公開されています。
「クラシックちょい聴き 日本フィル×テレビマンユニオンチャンネル」
【日本フィルハーモニー交響楽団 – Members TVU channel】
テレビマンユニオンの提供する「Members TVU channel」では、コンサートホールの臨場感をそのままに日本フィルのコンサート全編をオンラインで楽しむことができます(有料)。出演者:小林研一郎、井上道義、広上淳一、山田和樹、前橋汀子、日本フィルハーモニー、ほか。
*視聴の際はログイン(無料)が必要となります。
*利用期間:91日
【新日本フィルハーモニー交響楽団「すみだの街角から世界に音楽を!」シリーズ】
墨田区各所で室内楽作品を収録した「すみだの街角から世界に音楽を!」シリーズが公開されています。
詳細はこちらから
【新日本フィルハーモニー交響楽団「シンニチテレワーク部」シリーズ】
楽団員による企画「シンニチテレワーク部」ではテレワーク中のオーケストラ・メンバーがそれぞれの場所から《パプリカ》や《ウィリアムテル序曲》などが発信されています。
詳細はこちらから
【仙台フィルハーモニー管弦楽団】
仙台フィルは、主催公演の他、ホスト・オーケストラを務める「仙台国際音楽コンクール」ファイナルでの様子などの無料動画を併せて公開しています。
※上記にてご紹介した配信を視聴する際の詳細は各団体のホームページ等でご確認ください。
(text:武谷あい子)